長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
日本を代表する化粧品メーカー、資生堂が苦しんでいる。
11月10日に発表された2025年12月期通期連結業績予想では、売上高を従来の9950億円から9650億円へ下方修正。最終利益も60億円の黒字から520億円の赤字へと変更された。昨年に続く最終赤字であり、過去最悪の最終損失となる見通しだ。
人員面でも構造改革が続く。年内に約200人の希望退職を募る予定で、昨年は国内社員の1割超にあたる1500人、今年は米国子会社でも同じく1割超の300人を削減するなど、スリム化を進めている。
コロナ禍での外出自粛による“巣ごもり”により、化粧品の需要が大きく減退したことは、資生堂を含む化粧品メーカー各社に打撃を与えた。その中で、資生堂は2021年2月、選択と集中を掲げ、低価格帯のパーソナルケア事業を投資ファンドへ売却。中・高価格帯に注力することを選択した。売却対象には、ヘアケアの「TSUBAKI」やメンズ化粧品「uno」といった人気ブランドも含まれている。
同社が勝負をかけたのは、中国の14億人市場だった。しかし、ここ数年の景気低迷により、中・高価格帯商品の販売が伸び悩んでいる。加えて、低価格帯ブランドを手放したことで、台頭する中国・韓国メーカーのプチプラ商品に市場を奪われる結果となった。
さらに、米国で買収したブランド「Drunk Elephant(ドランク エレファント)」が、突如として大不振に陥る事態も重なった。
こうした複合的な逆風が資生堂を追い込み、同社はいま大きな岐路に立たされている。果たして資生堂に、再生の道はあるのだろうか。
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