伊澤タオル、交野市の事例から学ぶ点は、大いにあります。
一つは、組織において人の上に立って指示命令する立場の者は「パワハラの認定基準」を理解し、常に頭に置きながら業務を遂行することが、パワハラの未然防止につながるという点。
もう一つは、パワハラを受けていると思ったときに、どこに相談をすればいいのかを組織内で周知することです。同時に一報を受けた部署は、放置することなく、必ず被害者、加害者双方並びに第三者の職場勤務者から状況についてヒアリングすることをルール化する。そして、「認定基準」によりパワハラの有無を明確化して、速やかにあるべき組織状態に戻すことがパワハラのまん延を防ぐのです。
さらに、交野市の幹部職員の年齢は分かりませんが、伊澤社長は明らかに昭和育ちの経営者です。昭和の時代にはパワハラという概念は存在せず、むしろ「軍隊式」と言われる今では完全なパワハラにあたるような指導まで容認されていました。若年期に学校や職場でその類の指導を受けた世代は、「我々の時代は……」という意識も働きパワハラに対する認識の甘さが出て、無意識に加害行為をする、第三者としても事実を見過ごす、ということが確実にあるとみています。昭和育ちの経営者、管理者は、一層の自覚と注意が必要であるということを付け加えておきます。
株式会社スタジオ02 代表取締役
横浜銀行に入り現場および現場指導の他、新聞記者経験もある異色の銀行マンとして活躍。全銀協出向時はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。銀行では企画、営業企画部門を歴任し、06年支店長職をひと区切りとして円満退社した。その後は上場ベンチャー企業役員などとして活躍。現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーをする傍ら、出身の有名超進学校人脈や銀行時代の官民有力人脈を駆使した情報通企業アナリストとして、メディア執筆者やコメンテーターを務めている。
「厳しい指導」→「パワハラ」とは限らない 上司が真に注意すべき“余計な一言”とは
令和になっても「パワハラが引き起こす悲しい事件」が減らない、4つの理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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