30代がいない──1年ほど前からでしょうか。こんな悲鳴を現場の人たちから、何度も聞いてきました。
「コロナ禍でもっと賃金のいい会社に転職してしまった」
「もっと成長したいって……。うちの会社がダメってことですかね」
「子どもができたのでリモートできないと無理だと辞めた」
など、残された上司たちは頭を抱えていたのです。
実際、2024年10〜11月に、日経ビジネスが電子版の読者を対象に実施したアンケートでも、「30代が足りない(やや不足している・かなり不足している)」と答えた割合が67.3%と3分の2以上を占め、「30代クライシス」が浮き彫りになっていました。
そんな不足感も関係しているのでしょうか。学情の調査で、企業の9割が「即戦力となるプレイヤー」を30代の中途入社者に期待していることが分かりました。また、選考書類では「経験してきた業務内容」「経験した業種・職種」といった経験を重視する傾向が高く、「20代にはない経験やスキルを発揮して組織を牽引してほしい」「まずはプレイヤーから始めて本領を発揮してほしい」「自身の成績に加え、後輩にも良い影響を与えてほしい」などの声が挙がっていたそうです。
なかなか……ですね。つまるところ「人に投資する気がない」のです。
読者の中には、「中途採用に、時間やコストをかけずに即座に成果を出すことを期待するのは当然でしょ」と思われる人も多いかもしれません。しかし、企業の9割が30代の中途入社者に「即戦力プレイヤー」を期待するという調査結果は、中途採用は「空いた穴を埋めるためのピース」に過ぎず、批判を恐れずに言うならば、いわば「使い捨て」と言わざるを得ません。
そもそも「私」は「私」が考える以上に、環境の影響を受けます。どんなに書類上は「即戦力」が期待できても、会社が変わると前職の力を発揮できない場合は決して少なくないのです。
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