型破りないでたちで訪問してきた輝光氏に対して、顧客は冷たかった。当時を振り返り、輝光氏は次のように話す。
「『何だこいつ』という反応がほとんどで、理解を示してくれる人はいなかった。『ネクタイくらい締めてこい!』と言われて、翌日もネクタイを締めずに訪問したら『お前の顔なんか、見たくない』と言われたこともあったね」
社内の反応はどうだったのか。先代からは「お前が思う経営をしてみろ」とバトンを渡されたため、特に反対はなし。従業員からも、異論は出なかった。それもそうで、10数人の従業員でいわゆる「町工場」的に事業を続けてきた坂口捺染には、それまで営業という概念がなかったのだ。「営業とはかくあるべし」というものがなかったことが、輝光氏の「らしさ」をそのまま生かすことにつながった。
輝光氏が「いかに自社の従業員が素晴らしいか」といった独自のセールストークを交えながら営業活動を続けると、徐々に理解を示してくれる取引先が増えていった。1社に頼っていた取引先が、今では直接やりとりする代理店で150社ほど、その先にいるエンド顧客は10万社ほどに。国内各地で有名な「ご当地グルメ」などのグッズや、誰しも聞いたことのあるような芸能人のグッズなども手掛ける。
しかし、輝光氏の人柄が非常にインパクトがあるとはいえ、それだけでここまで成長できるほど、ビジネスの世界は甘くない。同社の商流が拡大した背景には、他に何があるのだろうか。
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