金髪・革ジャンの“クセ強社長” 「売上7倍」「従業員14人→200人」を実現した「改革」の中身(4/5 ページ)

» 2025年11月29日 05時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

同社が急成長を遂げた要因とは?

 同社を飛躍させた秘訣について聞くと、輝光氏は「まずは人の力だよね」と前置きしつつ、値ごろ感を挙げる。同社にプリントを発注した場合、コストは競合と比較して半値か、3分の2くらいがほとんどだという。

 ここで気になるのが、価格競争では一般的に海外の方が安いのではないかという点だ。単に安いだけでは、海外に顧客を奪われそうな気もするが、そこには商材ならではの事情がある。

 「確かに海外の方が安いかもしれない。『重衣料』という、コートとかスーツとか、保管にかさばるようなものは、保管コストもあるし、海外が多い。でも、ウチが引き受けるようなTシャツとかの『軽衣料』と呼ばれる商材は、保管コストがそんなにかからない。あと、単価を考えると海外から輸送して……ってするよりも、国内でやった方が結局安上がりになるから、国内需要がそれなりにある」

 こうした事情に加え、短納期を求められる商品が多いことも、同社が支持を集める要因だ。

 「うちは、同業者が認めるくらいに納期が短い。例えば、数千枚規模のTシャツも、1週間以内にプリントして納品できるから」

 では、なぜ納期を短くできるのか。背景には、柔軟なシフト調整がある。これも、専務時代に取り組んだ改革の一つだ。

 1社の取引先に頼っていた時代は、ある程度の受注が予想できるため、1週間単位でラインをかっちりと固めて仕事をしていた。そうなると、不意に依頼があったものや、短納期を求められるものに対応しにくい。

 そこで、入ってくる注文に応じて、正午、午後3時、午後5時と時間ごとにラインを組み替えるような生産管理に切り替えた。1日600〜700件もの商品を扱い、それぞれにしかるべき工程がある中で毎日毎日ラインの組み替えを担当しているという。相当な苦労だとうかがえるが「もう慣れた」と輝光氏はあっけらかんと話す。

 この生産管理改革が、同社が「働きやすい会社」として話題を集める一因にもなっている。同社は200人ほどの従業員のうち、子育て中の女性が大半を占める。子どもが急病になるなど、何かしらの理由でシフトに穴があくことも多いが、ラインを組み替えるのが当たり前になっているため、急な欠勤、早退があっても柔軟に対応しやすいのだ。

 後編では、同社の労働環境などについても聞いていく。

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