もちろん、開示すれば全て解決という話でもない。製薬会社から渡す医師への謝礼は各社が決算で公開しているが、それを見ると学会の“大物ドクター”などに「なんでこんなにたくさん払われているの?」と思うようなものもある。ただ、こういうオープンな問題提起ができるのも、業界が「透明化」を進めているからでもあるのだ。
この「利益相反」の透明性は一般のビジネスの世界、特に契約関係で決裁権を持つ人々も導入すべき商習慣ではないかと思っている。
例えば、新しく部長になった時点で、社内には「自分はA社の社長と個人的に親しく利益相反関係にあります」などと、自分から部下などにちゃんと告知するのだ。そういうスタンスを明確にしたうえで、それでもなおA社に発注しようと決めたのなら当然、周囲を納得させるだけの説明もしなくてはいけなくなるはずだ。
本当は親しい間柄なのに、それを隠すから周囲は「癒着ではないか」「利益誘導だ」とあれこれ想像力を働かせてしまう。これを避けるには最初からオープンにしてしまうことだ。「でも、そんなことわざわざ自分から言うのもおかしいじゃん」と腰が引けてしまう人の場合は、「第三者のチェック」をおすすめする。
自分が「利益誘導おじさん」だと疑われそうな案件があったら、1人で抱え込むのではなく、まずは会社の上層部や同僚などに相談して、判断を第三者に委ねてしまうのである。実際、大企業にはそのような疑いがあれば、調査をして適切な対応を指示する部署があるのだ。
……という一般社会の「常識」を踏まえて、あらためて鈴木大臣のこれまでの振る舞いを見ると、どうしても違和感を覚えてしまう。
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