日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
半世紀にわたって日本の子どもたちに勇気を与えてきた「スーパー戦隊シリーズ」(東映)が、ついに消える。現在放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日系)を最後に終了することが発表されたのだ。
実はこのゴジュウジャー、2025年9月に「文春報」を被弾して「戦隊内不倫」がすっぱ抜かれた。ゴジュウユニコーンなる女性戦士を演じていた19歳のグラビアアイドルが、主人公・コジュウウルフのスーツアクターと不倫関係にあることが報道された。さらに追い討ちをかけるように、未成年飲酒もしていた事実まで発覚したのである。
そのため、当初は「不祥事が原因で打ち切り」との憶測も流れたが、報道で聞こえてくる原因は「疲弊する制作現場」と「業績低迷」のようだ。
ビデオリサーチによれば、10月26日(関東地区)の同番組平均世帯視聴率は1.9%。日曜朝の時間帯でこれはかなり厳しい。「戦隊内不倫」報道では若手俳優たちの「朝から晩まで拘束されるわりには安いギャラ」も注目を集めたが、制作費も潤沢ではない中で、アクションの練習などもして「結果」がこれでは、演者もスタッフもモチベーションは下がってしまう。
こうした人気低迷は、グッズの売り上げからもうかがえる。スーパー戦隊シリーズのおもちゃ・映像音楽などIPを展開しているバンダイ・ナムコホールディングスの決算資料を見ると、2025年3月通期の売り上げは64億円。仮面ライダーの307億円、ウルトラマンの140億円と大きく差をつけられてしまっている。
つまり、50年続いた「スーパー戦隊」がその歴史に幕を閉じるのは、時間の問題だったといえる。ただ、個人的には今回のシリーズ終了は、会社で例えると「廃業」というよりも「リストラ」だと思っている。
経営再建を目指す企業の人員整理と同じく、「スーパー戦隊」の中でほとんどのキャストが退く中で、わずかだが生き残っている者もいるからだ。それは「レッド」である。
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