分かりやすいのは、東京タワーだ。ご存じのように、この施設のイメージカラーは「赤」ということで、2023年末から年明けにかけて、スーパー戦隊シリーズの「歴代レッド」だけが集合する無料撮影イベント「SUPERレッドデイズ」が開催された。
また、同じく「赤」がチームカラーのサッカーJ1「浦和レッズ」でも2025年7月、アカレンジャーとゴジュウウルフ、さらに「We are Reds!」の文字が描かれたコラボTシャツなどが販売されている。
なぜこんなにもレッドばかりがゴリ押しされるのか不思議だろうが、それは「お笑いトリオ」に当てはめると理解しやすい。
例えば、リーダーだけが売れている3人組のお笑いトリオがあったとしよう。リーダーはバラエティーやドラマで引っ張りだこで、テレビCMにまで出演する人気者。一方、残りの2人はまったくお声がかからずにバイト三昧。3人そろっての仕事も今やほとんどない。そうなると、彼らのマネジメントをしている所属事務所としては、残酷なようだが「トリオ解散」をすすめて、リーダーをピン芸人として、もっとスターに育てようという考えになるのではないか。
この「選択と集中」こそが「PROJECT R.E.D.」の狙いではないかと思っている。
1975年に「ゴレンジャー」が始まったとき、年少人口(0〜14歳)は2700万人いた。それだけ子どもがいれば、アカレンジャーが好きな子も、キレンジャーが好きな子もいて、みんな小遣いから「推しメンバー」のカードやらおもちゃを購入した。
しかし、時は流れ現在の年少人口は1400万人まで減った。東京都の人口に匹敵する子どもが減っている。つまり、それだけヒーローものの視聴者も、グッズ購入者も激減しているということだ。
しかも子どもの遊びは多様化し、Nintendo SwitchやPlayStationなどのテレビゲームや、スマホにもお金を費やさないといけない。スーパー戦隊が好きな子どもでも、メンバー5人全員のグッズをコンプリートするのは負担が大きい。
つまり、「スーパー戦隊」というビジネスモデルが成立しなくなったのは、この国の子どもが1400万人も減ったことも無関係ではないのだ。
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