仕事観の変化やテクノロジーの進化によって、キャリアの「正解」は消滅した。複雑で高度化するビジネス環境で活躍し続けられる人材になるためには、市場の風を読み、自身でキャリアを作り上げていく必要がある。キャリアは一日にして成らず──シリコンバレー在住の石角友愛(パロアルトインサイトCEO・AIビジネスデザイナー)とともに、自分なりの「正解」を考えていこう。
DXでは、省人化・自動化を図る目的でAIによる業務代替が進行し、特にホワイトカラー領域で顕著です。筆者も企業のAI活用プロジェクトを支援する中で、人が担当するオフィス業務がどんどん少なくなっていくのを実感しています。
このようにホワイトカラーへの雇用リスクが増大する中、人間だからこそできる、体を使った「ブルーカラーワーク」が再評価されています。
AIは企業経営や働き方に大きな影響を与えるようになりました。文章作成やデータ分析、事業企画に至るまで、以前は人が時間をかけて行っていた業務をAIが代替するようになったのです。最近では、イラストや動画制作といったクリエイティブな分野でもAI活用が進んでいます。その結果、これまで知的業務を担当してきたホワイトカラーの間で「自分の仕事がAIに取られてしまうのでは」という不安が高まっています。
そして、こうした不安は現実のものになりつつあるようです。国際労働機関(ILO)が2025年5月に発表した「Research Brief AI and jobs: A 2025 update」では、将来的に雇用の4分の1がAIに代替される可能性が示されました。また、米IBMやMicrosoft、Metaなどの巨大テック企業はすでに、AI代替による人員削減を進めています。
2025年8月に人材プラットフォーム「クロスワーク」を運営するX Mile(東京都新宿区)が実施した調査では、ホワイトカラーの約7割が「現場職への転職もあり」と回答しています。この調査結果は、ホワイトワーカーの雇用不安とブルーカラーシフトへの注目を示すものになりました。
製造、建設、物流、整備といった現場仕事のAI代替は、オフィスワークほど進んでいません。そして、これら業界の人材不足は深刻です。例えば、建設業の有効求人倍率は5倍以上と全産業の平均1.22倍を大きく上回っています(厚生労働省2025年8月発表)。物流業も有効求人倍率は2倍以上で推移しており、AI時代において現場仕事は雇用を得るうえで有力な選択肢といえるのです。
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