建設DX事業を手掛ける建築市場(東京都豊島区)は、一都三県で建築施工に携わる専門的な技能を有する職人を対象に「建築施工職人の働き方と報酬に関する実態調査」を実施した。
ここ1年ほどの世の中の賃上げの動きが自身の報酬に反映されているかについて「全く実感していない」が45.6%、「あまり実感していない」が33.0%となり、合わせて約8割が賃上げの恩恵を感じていないことが分かった。
現在の仕事で「技術・仕事の質」が正当に評価されていると感じるか、それとも「価格競争(安さ)」に巻き込まれていると感じるかを聞いた。その結果「価格競争に巻き込まれていると感じる」が30.1%、「どちらかといえば、価格競争に巻き込まれていると感じる」が27.2%となり、約6割が価格競争にさらされているとの認識を持っていた。
「価格競争に巻き込まれている」と回答した人の理由として、最多は「元請けや上位の会社による中間マージンが多いから」(45.8%)だった。次いで「相見積もりで買い叩かれ、適正な価格が反映されないから」(42.4%)、「価格交渉の場がなく、元請けから提示された金額をのむしかないから」(40.7%)が続いた。
今後の現場獲得や仕事の継続性についてどの程度不安を感じるかを聞いたところ「非常に不安を感じる」が29.1%、「やや不安を感じる」が47.6%となり、約8割が不安を抱えながら働いている実態が浮かび上がった。
新規の取引先やパートナーを開拓するための営業活動については「全く行えていない」が25.2%、「あまり行えていない」が49.5%だった。将来に向けた取り組みを十分に行えていないと感じている職人も多いことが分かる。
調査元の建築市場は「建設需要が堅調に推移する中でも、多重下請け構造による中間マージンや価格交渉力の欠如によって、職人の技術が正当に評価されない状況が続いている。中間構造の見直しや、職人と施主を直接つなぐ新たな仕組みづくりが求められるのではないだろうか」とコメントしている。
本調査は一都三県で建築施工に携わる専門的な技能を有する職人(一人親方・個人事業主、企業に所属する職人)を対象に、インターネットで実施した。調査期間は11月19〜20日、有効回答数は103人。
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