サッポロは中長期戦略で「Healthier Choice(より健康的な選択肢の提供)」を掲げている。健康の維持には、適正飲酒と適度な運動の両輪が必要だが、運動は継続しづらいという課題がある。
せっかく体を動かすのなら、達成感やご褒美を求めたくなるもの。そこで着目したのが、運動終わりの一杯だ。しかし、アルコール飲料は運動後には向かない上、健康志向の高まりからためらう人もいる。ノンアルコールであっても、運動後にビールテイスト飲料を飲むことに「後ろめたさ」を感じる人は少なくない。
こうした課題を踏まえ、スポーツノンアルという新しい市場をつくり、罪悪感なく飲める「ご褒美」を用意できれば、運動習慣のきっかけになると考えた。
一方のミズノは、すでに2022年4月からスポーツ後を想定したノンアルのクラフトビール「PUHAAH(プハー)」(瓶6本セット3240円)を南信州ビールと共同開発し、展開している。ミズノ史上初となる「飲料製品」として開発され、公式オンラインストアなどで販売している。
2024年度の売り上げは前年度比7割増を記録するなど、スポーツノンアルへの需要が確かに存在することを証明していたが、中田氏は「数量を伸ばしていくには、販売チャネルや生産キャパに課題があった」と振り返る。
事業の継続性を判断する段階に差し掛かっていたタイミングで、サッポロから今回の協業の打診があった。サッポロの全国流通網とビール製造技術、ミズノのスポーツシーンでの知見と実績、それぞれの強みにより協業が実現した。
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