百貨店は1990年代以降、長らく苦境に立たされてきた。
郊外型ショッピングモールの台頭、ECの普及、消費スタイルの変化。これらが重なり、百貨店は斜陽産業と語られることが多くなった。西武・そごうがフォートレスに売却されたのも、そうした大きな流れを受けた動きだ。
ただ、近年の動向を丁寧に見ていくと、百貨店が一様に不振というわけでもない。むしろ、百貨店業界では、明確な二極化が進んでいる。
その最大の要因が、インバウンド需要の拡大である。
富裕層やインバウンドを取り込んでいる都市部の百貨店は、比較的好調な業績を維持している。例えば、2025年1月の百貨店売上高を見ると、インバウンド関連の売り上げは前年比で50%超の伸びを示している。この伸びは34カ月連続で、現在の売り上げを支える最大のエンジンがインバウンドであることがよく分かる。
さらに、百貨店売上の約8割が上位10都市に集中しているというデータもある。地方百貨店が厳しい状況に置かれる一方、東京や大阪といった大都市の百貨店は、インバウンドと富裕層消費によって売り上げを伸ばしているのだ。
こうした状況を踏まえれば、西武池袋がラグジュアリー化へかじを切ると判断したことは、妥当といえるだろう。
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
ドンキは本当に最強なのか? 地方スーパーが突きつける“一強多弱”の限界Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング