AIの進化により、半導体の争奪戦が始まっているのはご承知の通り。半導体はデータセンターのみならず、あらゆる機器に使われている。ということは、当然、総務が調達する社用PCにもそれは当てはまる。PCの価格高騰や品薄が予測される中、悠長に構えている時間はない。
「PCが高くて買えませんでした」と4月に新入社員に言うのか。
「大変な状況だったけど、なんとか最高の環境を用意したよ」と迎えるのか。
ここが事務屋と、戦略総務かの分水嶺だ。「いつか下がるだろう」という希望的観測は捨て、経営層や情報システム部門も巻き込むながら、即座に動く必要がある。今すぐ総務パーソンがとるべき初期対応3つを、順を追って解説する。
まず行うべきは、4月入社の新卒社員数、および中途採用予定、さらには既存社員のPC入れ替え(リプレース)予定の正確な把握だ。人事部門と連携し、「最低限必要な数」(Must)と「できれば確保したい数」(Want)を明確に分ける。
その上で、現在社内にある「予備機」(在庫)のスペックと稼働状況を確認してほしい。「数としてはあるが、スペックが低すぎて使い物にならない」という隠れ在庫がありはしないだろうか。これを洗い出すことがスタートラインだ。
洗い出しが完了したら、付き合いのあるベンダーや代理店に今すぐ連絡を入れよう。聞くべきことは以下の2点。
ここでのポイントは、「発注書を切る前の仮押さえ」ができるかどうかの交渉だ。長年の付き合いがあれば、正式発注前でも数日間は在庫をブロックしてくれる可能性がある。これができるかどうかが、日頃の「ベンダーマネジメント」の成果といえる。
続いて、経営層への「緊急予算申請」だ。これが最も高いハードルかもしれない。期初の予算を超過する可能性があるからだ。しかし、ここで躊躇(ちゅうちょ)してはならない。経営層を説得する際のロジックは、「コスト」ではなく「機会損失によるリスク」で語ることだ。
「社長、PCの価格が上がっていますが、今確保しないと4月の入社式に新入社員のPCが間に合わない、あるいはスペックを落とさざるを得なくなります。初期研修や業務開始の遅れは、人件費の無駄遣い(=機会損失)に直結します。○○万円の予算追加が必要ですが、これは事業継続のための投資です」
このように、総務の都合ではなく「経営へのインパクト」として事象を翻訳して伝えるのが、戦略総務の手腕だ。
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