2025年は「訪日外国人客(インバウンド)が11月までに3900万人を突破した」と日本政府観光局が発表した。年間4000万人超えがほぼ確実となり、師走でもさまざまな場所で訪日外国人の姿が目立つ。
ここ数年のインバウンド需要では、日本ならではの商品に多く注目が集まった。その代表例が「抹茶」だ。
人気に火がついたことで、同時に価格の高騰も起こっている。訪日外国人が“日本文化の象徴”として大量購入したり、抹茶教室を体験(モノ消費とコト消費)したりする様子をSNSで発信することで、さらに注目が集まり需要も急拡大。その結果、卸価格や小売価格が高騰するという流れのようだ。
そんな中、創業時から高品質の抹茶にこだわるカフェがある。「ナナズグリーンティー(nana’s green tea)」(以下、ナナズ)だ。2001年に個人店として創業し、現在は国内66店、米国やオーストラリアなど海外に14店(12月1日時点)を展開する。
インバウンド需要を取り込もうと抹茶メニューを拡充する店も増えてきた。どのような差別化戦略で来店客を獲得しているのか。ナナズの強みと今後の課題について、運営会社の七葉(東京都目黒区)の代表取締役 朽網一人氏に話を聞いた。
「近年は茶系カフェも増えましたが、競合と当店との違いは『素材力』です。良質な原材料を仕入れ、店でひと手間かけて提供してきました。この姿勢は変わりません」
朽網氏はこう断言する(以下、特記ない場合の発言は同氏)。同氏は2001年、現在の前身となる「グリーンティーカフェ」を起業した。経緯は後述するが、店名が示すように創業時から抹茶を扱う茶系カフェだ。幅広い世代の女性をターゲットにしている。
「京都・宇治にある『山政小山園』の厳選された茶葉を仕入れていますが、抹茶価格が高騰し、仕入れ値はほぼ倍になりました。店の一番人気は、ドリンクが『抹茶ラテ』、スイーツは『抹茶白玉パフェ』です。抹茶系が看板メニューのため大変ですが、品質にはこだわり続けます」
創業から4年後にコンセプトを「現代の茶室」と定めたが、店のハードルは高くなく、取材時もお客が気軽に来店していた。「基本は現代版の甘味茶屋で、さまざまなこだわりの飲食を提供してお客さまをもてなしています」と語る。
大手チェーンでもスターバックスが「スターバックスティー&カフェ」や「ティバーナストア」を、タリーズが「アンドティー(&TEA)」ブランドを展開するなど、抹茶に限らず「茶系」への注目が高まっている。
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