「あの商品はどうして人気?」「あのブームはなぜ起きた?」その裏側にはユーザーの心を掴む仕掛けがある──。この連載では、アプリやサービスのユーザー体験(UX)を考える専門家、グッドパッチのUXデザイナーが今話題のサービスやプロダクトをUXの視点で解説。マーケティングにも生きる、UXの心得をお届けします。
本記事はグッドパッチブログ「【イカしたUIを見る】Vol.5 スマホから飛び出した体験設計!リアルの世界でこそ輝くUI」の加筆版です。
近年、多くの店舗が効率化のためにセルフレジを導入し、「自分で商品をスキャンして支払う」光景はもはや当たり前になりました。しかし、その操作方法は店舗によって大きく異なり、利用者が戸惑う場面も少なくありません。実際、セブン-イレブンのセミセルフレジやローソンのセルフレジが「分かりにくい」と話題になったのは記憶に新しいでしょう。
筆者もさまざまなセルフレジを試しました。その中で最も快適だったのがユニクロのセルフレジです。正確には「快適だった」と意識する間もなく、「会計が自然に完了していた」という体験でした。
ユニクロのセルフレジと聞くと、「カゴを置くだけで商品を一括で読み取れる」RFID技術がよく話題に上がります。確かにこれは便利です。しかし、その“便利さ”を最大化しているのは、RFIDそのものよりも、その技術を前提に「迷わず終えられる会計体験」を設計したUI/UXにあります。
では、ユニクロはどのようにして「意識すらしない会計体験」を実現しているのでしょうか。以下では、実際の会計プロセスを追いながら、その秘密を読み解いていきます。
まず、ユーザーはカゴ(もしくは商品)を持ちながら店内を回った後、会計時にレジの右側にあるくぼんだ場所へカゴを置きます。このエリアは、スーパーのレジのような平坦な板ではなく、すっぽりとカゴが入りそうな形になっていることで、自然と「ここに持っているものを置けそうだ」と思わせる仕掛けになっています。
ユニクロのセルフレジでは、商品タグを正確に読み取れるよう、指定の場所へ商品を置いてもらう必要がありますが、このくぼみがユーザーの動作を自然に誘導しているといえるでしょう。このように会計のタブレット以外の場所にも工夫が散りばめられています。
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