ナナズは現在、北海道(札幌)から沖縄県(浦添)まで店舗展開しているが、地域によって特色は異なるのか。朽網氏によると、店の立地によって大きく変わるという。
「インバウンドの方が多いのは、例えば東京のルミネエスト新宿店、京都の四条室町店、関西国際空港第2ターミナルビル店などです。基本ほとんどの店でドリンクやスイーツの提供が多いですが、『ラクーア』(東京ドームシティ内の複合商業施設)や『イクスピアリ』(東京ディズニーリゾートの玄関口にある商業施設)の店の売り上げは約半分が食事系です」
ファミリー層など、さまざまな世代が訪れる店はフード提供率も高くなるという。ドリンクやスイーツの提供が中心ではあるものの、素材へのこだわりもあってか来店客によっては食事がメインの店と捉えている層もいるとのことだ。
「フードメニューの一番人気はマグロ丼(『天然鮪とアボカドのとろろどんぶり』)です。当店で扱う鮪は全て『ヤマサ脇口水産』(和歌山県那智勝浦町)から仕入れており、那智勝浦港で水揚げされる天然鮪は、鮮度を保つ“活け締め”をしています。今年の夏は限定販売した『天然もち鮪のねばとろ混ぜご飯』も人気でした」
「大学時代は飲食店でのアルバイトが多かった」と話す朽網氏だが、中でもなぜ茶系カフェを開業したのか。
「テレビを見ていた時に、大分県・由布院温泉で抹茶を提供する店が女性客でにぎわっていたのを知りました。とある女性は東京からの旅行客で、当時『東京から大分まで来て、抹茶のために店に並ぶのか』と驚き、『日本茶や抹茶でスタバのような店を始めたら面白いかも』と思ったのです」
実際に茶葉生産が盛んな京都府や静岡県を訪れると「抹茶のカフェ」は存在していなかった。「抹茶は日本のエスプレッソだ」と思い、新機軸の茶系カフェとして開業した。
筆者はカフェに関する取材やメディア対応も多いが、2000年代初めに「茶系」に注目したのは興味深い。当時、「女性はコーヒーが苦手(そこまで好きでない)」といわれていたからだ。
歴史を振り返ると、昭和時代の喫茶店は男性客が中心で「当時はブレンド、アイス、アメリカンで全注文の6割をまかなえた」(老舗チェーンの経営者)という。そんな時代の女性は紅茶派が多く、レモンティーやミルクティーを好んでいた。近年はコーヒー好きな女性も増えたが、ナナズの顧客層=女性なのは茶系との親和性だろう。
現在、朽網氏は「素材探しの旅」と称し、全国各地の生産者と交流する。
「昨日(取材前日)は富山県にいました。酒造メーカーに招かれたのを機に、当地周辺の生産者の方の活動も視察したのです。自分たちの食材を丹精込めて育てる“きちんとした生産者”はきちんとした方とつながっており、みなさんの取り組みに刺激を受けています」
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
「落とし物DX」で売上15億円 競合だったJR東日本も導入した「find」はどんなサービスなのか
ユニクロのセルフレジ、なぜあれほど「快適」なのか? 「徹底的な分かりやすさ」はこう作られている
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
セブン、店内“スチーム”調理の「できたてラーメン」 600円前後で発売、勝機は?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング