1月2〜3日の2日間にわたり放送される箱根駅伝は、平均視聴率30%に迫る正月のキラーコンテンツだ。それゆえにスポーツブランドの戦いも熱い。特に近年は、出場選手210人の“足元”がターゲットになっている。
現在、その先頭を走っているのがドイツに本社を構えるアディダスだ。前回の箱根駅伝において、シューズシェア率でトップを独走してきたナイキを逆転。2024年大会の18.3%から倍増となる36.2%と大躍進している。
その原動力となったのが、2023年9月に発表された8万2500円のレース用シューズ「ADIZERO ADIOS PRO EVO 1」だ。
ウォーミングアップなどを含めてフルマラソン1回分で最大のパフォーマンスを発揮できるように設計された革新的なモデルで、最大の特徴は従来のレース用シューズより40%軽い片足138グラム(27.0センチ)という超軽量にある。
前々回はごく少数しか製作されなかったため、着用者は3人のみ。しかし、青山学院大学の黒田朝日選手(2区)と太田蒼生選手(3区)が快走したことで注目を浴び、前回は40人以上が履いていた。なかにはメルカリで購入した選手もいたという。
そして前回は花の2区で区間記録を上回ったリチャード・エティーリ選手(東京国際大学)、吉田響選手(創価大学)、黒田選手(青学大)、4区で区間賞を獲得した太田選手(青学大)らが快走した。
また世界に先駆けて日本で販売された「ADIZERO ADIOS PRO 4」で、3区の本間颯選手(中央大学)、8区の塩出翔太選手(青学大)、10区の小河原陽琉選手(青学大)が区間賞を獲得。6区の野村昭夢選手(青学大)は従来の区間記録を30秒も更新する56分47秒という驚異的なタイムで山を駆け下りて、金栗四三杯と大会MVPを同時受賞した。
箱根駅伝の最速シューズの座をアディダスから奪い取るのは至難の業といえそうだ。
アディダスは「EVO 1」の後継モデルとなる「ADIZERO ADIOS PRO EVO 2」を2025年4月に発売。次世代フォームテクノロジーを前足部に3ミリ増量して、エネルギーリターン(シューズから地面へと伝わるエネルギーの反発力・効率性)が5%向上したという。アウトソールのグリップパターンも新しくするなど、前作よりパワーアップ。重量は前作と同じ138グラム(27.0センチ)で、価格も同額の8万2500円だ。
そして2025年11月に開催された、全日本大学駅伝における出走者のシューズでも前年比でブランドシェアを拡大。かつてのナイキのように突き抜けた存在になっていくのか注目したい。
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