難しい仕事ほど「頼み方」で決まる “人を動かす”ために外せない2つの視点(2/2 ページ)

» 2026年01月06日 06時00分 公開
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自分一人で完結する仕事は少ない

 若い内はあまり意識する機会が少ないですが、職位と業務のレイヤーが上がるほど、自分一人でできることはどんどん少なくなってきます。例えば与信評価であるとか調達業務のように専門の独立部署が準備されてそこの人間にしか裁量が与えられない業務は、仮に自分にその能力があったとしても職務上「やってもらう」ことしかできません。

 また例えば、複数の商品を組み合わせて企画するような大規模プロジェクトであれば、管理職であったとしても関与できる領域が全体の5%、10%しかないといったことも珍しくありません。

 こうなると自分の領域を完全にこなすことは前提で、後の仕事の出来はどれだけ周囲に仕事を頼めるかで決まると言っても過言ではありません。しかもそのやってもらう相手というのは基本的に忙しくて多数の仕事を抱えています。

 多くのビジネスパーソンの方は相手に残業を強いたり、あるいは他の仕事を押しのけて自分の仕事を優先的にお願いせざるを得ない、という状況に追い込まれたことがあるのではないでしょうか(私もつらい記憶がよみがえる、というか今も無理なお願いをしなければなりません……)。

写真はイメージ、ゲッティイメージズ

 このように、他人に仕事を頼むには、まず入口では頼み方を覚えるとか、普段から関係性を作っていくことになります。前者は無礼でない、相手のスケジュールに配慮したお願いの仕方、メールやチャットで済ませずに出向いて頭を下げること。後者はシンプルで、人はよく知っている相手とそうでない相手なら前者の頼みを優先する傾向があるからです(あるいはある程度困難だったり、通常業務外のお願いになってしまうと、そもそもそのような一定の関係性がなければ、受け付けてすらもらえないこともままあります)。

信頼・貸しを外部に積み立てる

 このように忙しい他人に困難な業務をお願いするというのはそもそもハードルが非常に高いことですが、それを実現する方法は2つあると思っています。

 1つは深い関係性を持つことです。実際に会社であったのが、仕事を頼みたい相手が、たまたま会社の部活動で活動を共にする間柄だったこと。あるいはどこかの部署で一緒だったり、同期だったりする、というのがよくあるところでしょうか。ただし、これは偶然そのような機会に恵まれた相手に対してしかワークしません。

 もう1つは端的に言えば貸しを作ってしまうということです。単純に世話になっている相手の頼みごとは無下にできないですよね。

 やることは単純で、普段から頼まれごとをなるべく断らない、ということに尽きます。私はこれを「貯金」に近いものだと思っています。

 もちろん、自分も忙しい中で頼まれごとに対応するのは大変ではあるのですが、それにより特定の相手の中に「貯金」が積み立てられていき、いざ自分がお願いごとをしなければならない立場になった時に引き出して役に立つ……と思えれば、大変でもやってみるか、という気持ちにもなろうというものです。結果的にはそれを長く、いろいろな所に積み立てていき、それが後段で効いてくると、かえって仕事が早く進むような気すらしています。

 このように、信頼や貸しを外部に積み立てることは、いざというときに人に動いてもらうためにも必要です。ビジネスパーソンはぜひ心掛けてみてください。

著者プロフィール:株式会社板橋 東京中央支店

(カブシキガイシャイタバシ トウキョウチュウオウシテン)

板橋区出身。慶應義塾大学卒。現在は私文ホワイトカラー(マネージャー)。

趣味は喫茶店巡り。


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