この記事は、『私文ホワイトカラーが AI・コンサルに仕事を奪われない働き方戦略』(株式会社板橋 東京中央支店著、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
大規模プロジェクトなど自分一人で完結できない仕事は、周囲の人をどれだけ動かせるかが重要になってくるもの。そんな、人を動かすために有効な戦略について、書籍『私文ホワイトカラーが AI・コンサルに仕事を奪われない働き方戦略』よりピックアップしてお届けします。
1冊、本を紹介させてください。『人を動かす』(D・カーネギー、創元社)です。文庫本程度のサイズでサラッと読めます。一定より上の職位・レイヤーでの業務はまさに部下やお客さま、組織などの「人を動かす」ことが中心になりますが、この本の内容はタイトルの通り、人を動かすためにはどうしたら良いのか、その方法が書いてあります。
当書の要点を抜き出すと、人を動かそうとするならとにかく命令、批判や非難、攻撃的な言説、議論での論破を目指すといったことは避け、相手の面子(メンツ)を立ててこちらへの好感度を上げて、相手が能動的にこちらの思うように動いてくれることを目指す、ある意味で「柔らかな」ムーブを推奨するものです。
これはビジネスの文脈においては私自身の肌感でも正しく、そもそも人間は、嫌いな相手のために働いたりしないようにできています。命令や論破により何かを無理やりやらせた時の、へそ曲がりでやらされ仕事のアウトプットと、こちらに好感を持った人間が自分のためにしてくれる仕事と、どちらの品質が良いかはもはや議論するまでもないことでしょう。
私は中国史が好きなのですが、かつて秦を倒し西楚の覇王とも呼ばれた項羽は、個の能力でははるかに勝っていたにもかかわらず劉邦に敗れました。その理由もここでの話に近いものがあると思い、力で押し進めるような物事のやり方は、周囲の理解を得て進むことに比べると、実に脆くはかないものにしかなりません。
力で押し通したものは何かあった時に皆助けてくれませんし、下も付いてこなくなるんですよね。よって、職場での人間関係などではまず「柔」こそ優先すべきと思います。その目的としては気持ちよく仕事するとかもありましょうが、単純にそちらのほうが長い目で見た時に強いからです。
一方で、全てを「柔」で通して済むのであれば苦労はしない、という現実があることも確かです。悲しいかな、人は愚かなので、他人をなめてしまいます。一度「ヘラヘラしているだけの大したことがない奴」と感じてしまうと、どんな無礼やぞんざいな扱いをしても許されると思ってしまうものです。
これは自分の中で他人に対して芽生えることも恐ろしいことですが、それ以上に怖いのは他人になめられることなのです。
そうなったが最後、そこから先、その相手には『人を動かす』で見てきたような「柔」のムーブは一切意味がありません。穴の開いた袋に水を入れるようなものです。
よって、対等でいたい相手に対してこそ、「コイツは怒らせるとまずい」ということを心の奥底には持たせておくことが大事であるように思います。
そのための具体的なアクションとしては、表面的には笑顔でも、押し通されてはいけないところでは確実に強い言葉を使い、譲らない意思を明確にすること、自分が非協力的になった場合に相手が困るようなカードを常に持っておくことなどです。
イメージしていただきたいのは「普段は穏やかだけど、怒らせると本当に大変になる人」、すなわち剛柔を併せ持つ人間だと思われてさえしまえば、職場の人間関係としては100点満点なのだと思います。
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