ちまたでは、この変化をファミマの「ゲーセン化」と呼ぶ向きもある。ただ、こうした変化は何もいきなり起こったわけではない。ファミマの「〇〇化」は、ここ数年にわたって話題になってきた。
その代表例が衣料品だ。
先ほどもイートインスペースの話題で触れた通り、ファミマは「コンビニエンスウェア」に注力し、商品ラインアップの魅力向上に努めている。いま、ファミマの店内に入ると、店内の一角が思いのほかアパレルで占められており、コンビニとは思えない光景が広がっている。
2025年の9月には浜松町にある「ブルーフロント芝浦」で、初の衣料品専門店も出店した。見方によっては、ファミマは「アパレル化」もしている。
ゲーセン化、アパレル化とファミマの他業態越境がはなはだしいが、ここにはファミマを含めたコンビニ市場が行き当たる「市場飽和」の現状がある。
全国のコンビニ店舗数は、2010年代後半にピークを迎えて以降、ほぼ横ばいだ。出店拡大で成長してきたコンビニ業界にとっては、成長にブレーキがかかった時期といえる。
流通アナリストの中井彰人氏によると、このような飽和市場において、コンビニが次に狙うべきニーズは2つある。1つは商圏を細分化し、出店余地を生み出すこと。もう1つは新たな需要を取り込むことだ。
「商圏を細分化し、出店余地を生み出すこと」の例としては、これまで流通の問題から出店が難しかった過疎地域や農村部などにも進出することが挙げられる。また、オフィスビル内に小型店舗を設けるといった形も考えられる。
「新たな需要を取り込むこと」とは、これまでコンビニをあまり利用してこなかった層にも利用してもらうことだ。中井氏によると、これまでの市場拡大は出店数の増加に依存してきた。しかし、出店余地が少なくなった現在は、新たな利用者を取り込むことで1店舗当たりの売り上げを伸ばす戦略が必要となる。
ゲーセン化、アパレル化はこの2つ目の典型的な例だろう。その意味で、ファミマはこうしたコンビニの市場開拓の先頭を切っているといえる。
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