前述の総務部長が言うように、役割に「重要」「重要じゃない」という違いはない。しかし、総務への依頼の「丸投げ」を許容し続けることは、組織にとってマイナスとなる。なぜなら、総務が雑用係として疲弊することは、会社全体のインフラが脆弱になることと同義だからだ。
ここで必要なのが、戦略総務ならぬ、「戦略的自尊心」だ。
総務は、会社の舞台を整え、社員のパフォーマンスを最大化させるクリエイティブな職種だ。あなたがコピー用紙を補充するのは、単に紙を置くためではなく、「誰一人として仕事を中断させることなく、創造的な活動に没頭させるため」なのだ。
この「目的」を自分の中で再定義してほしい。自分を「便利屋」だと思っている人は、他人からも「便利屋」として扱われてしまう。自分を「組織の最適化を担うプロフェッショナル」だと定義している人は、自然と毅然とした態度が身に付くはずだ。
では、実際に「これやっといて」と雑な依頼が来た場合、どう対処すべきか。具体的なコミュニケーション技術は以下の3つだ。
「これやっといて」と言われたら、笑顔でこう返してみよう。 「承知いたしました。より最適な形で対応するために、これはどのような目的で、どなたが、いつ使うものか教えていただけますか?」
相手に「背景」を説明させることで、その仕事に文脈が生まれる。また、総務が単なる「作業の手」ではなく、「目的達成のためのパートナー」であることを印象付けることができるのだ。
「大至急」という言葉を鵜呑みにしてはいけない。
「大至急ですね。現在、全社的なイベント準備で手が塞がっておりまして、最短で明日の午後3時着手になりますが、間に合いますか?」このように、総務の状況を数値で示すのだ。 相手の「感情的な急ぎ」と、ビジネス上の「真の期限」を切り分けることが、プロの仕事だ。
年末の忙しい時期などに依頼が雑になるのは、仕組みのせいでもある。 「口頭やチャットでの『お願いね』は受け付けない」という勇気を持ってみよう。
簡単なフォームやチケット制を導入し、期限、目的、依頼の詳細など、必要事項が入力されていないものは「受付不可」とする。仕組みによって、相手の「甘え」を構造的に排除するのだ。
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