さまざまな産業で生成AIの活用が進む中、企業が選択できるAIの形も多様化している。ChatGPTやGeminiに代表される「汎用型AI」に加え、業界固有のデータ学習や知見の蓄積に強みを持つ「特化型AI」も存在感を高めている。
点在するデータや経験知を扱う製造業では、こうした異なる種類のAIが現場でどのように使い分けられ、業務にどのような変化をもたらしているのか。
製造業向けAIサービスなどを提供するキャディ(東京都台東区)が調査を実施。その結果からは、製造業における生成AI活用が「可能性を探索する」段階から「具体的な成果を発揮する」フェーズへとシフトしている様子が見られた。
AIの業務上の位置付けについて、特化型AI利用者においては「業務判断の質を高めるために活用」が44.0%で最多だった。「AIがないと業務が成り立たない」(24.7%)と合わせると約7割が業務の中核で活用していることが分かった。
一方で、汎用型AIの利用者においては、67.3%が「補助的な利用」と捉えていた。「AIがないと業務が成り立たない」人は3.3%だった。
日々の業務時間を見積もる際に「AI活用を前提に見積もっている」人は特化型AI利用者では85.9%だった。対して、汎用型AI利用者は69.3%が「AIを使うことは、見積もりには含めていない」とし、業務プロセスへの定着度合いにギャップが見られた。
AIによって実現できるようになった業務については、特化型AI利用者の約4割が「図面・仕様の理解」「最適な工程・ルートの自動判断」「原価・リードタイム算出」といった、製造業ならではの専門業務を実現できるようになったと回答。一方、汎用型AI利用者は、いずれも10%未満にとどまり、専門領域における実用性の差が浮き彫りになった。
また、製造業では「経験や勘に依存した業務」「業務の属人化」「技術・ノウハウ継承」などが長きにわたり課題とされてきた。しかし、特化型AI利用者の76.7%が、AIを活用することで「経験や勘への依存」という課題が「解消につながった」と捉えており、「業務の属人化」「技術・ノウハウ継承」といった課題についても高い解決度を示した。
理想とするAI活用の方法については、特化型AI利用者で最も多い回答は「業務プロセスの一部に完全に組み込まれ自走する存在」となり32.7%に上った。一方で、汎用型AI利用者は「作業の効率化ツール」(54.7%)を最も求めていることが分かった。
AI活用により約8割の特化型AI利用者が「専門性を発揮・注力しやすくなった」と感じており、「特に変化は感じない」とした人は8.7%と1割に満たなかった。一方、汎用型AI利用者で「特に変化は感じない」とした人は35.3%を占めた。
調査は2025年11月28日〜12月10日にインターネットで実施。製造業従事者を対象とした。スクリーニング調査では6000人、本調査では300人から回答を得た。
富士通社長「フィジカルAIこそ日本の勝ち筋」 NVIDIAと挑む“脳”の開発
製造業、円安・物価高で「調達への懸念」が8割超 「AI」の影響は……?
製造業ではAIどう活用? 「社内文書の作成」超えた1位は
中小製造業のDXが進まない3つの原因 AI活用が「当たり前の風景」になる日は来るかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング