AIツールの活用が多くの企業で進んでいる中、製造業ではどのように活用しているのか。製造業向けAIサービスなどを手掛けるキャディ(東京都台東区)が調査した。
AIツール使用開始前に、操作・使い方に対して「不安を抱いていた」は全体の70.7%に上った。具体的な不安について、最も多かったのは「専門知識が必要そう」で27.0%。次に「操作が難しそう」(19.7%)が続いた。
実際にAIを活用している業務領域については「情報収集・アイデア出し」(37.3%)、「社内文書や報告書の作成」(37.0%)がトップ2となった。その他、「設計・開発関連」(22.7%)、「見積作成・見積比較」(18.7%)といった業務が続き、オフィス業務から設計現場に至るまで、AI活用が多岐にわたっていることがうかがえる。
業務面での変化としては、作業時間短縮などの「生産性向上」が最も多い回答となり、59.0%に上った。次に「精度向上・リスク回避」(49.7%)、「再現性向上・属人性の排除」(48.3%)が続いた。AIツールは業務の効率化にとどまらず、属人性の排除や再現性の確保など「業務プロセスの構造的な見直し」にも寄与しているといえそうだ。
回答者からは「自動で生産計画を立てて、属人性が排除され、工数も削減された」「数値計算や見積り仕様書などの例を作成」「グローバル化を行うため標準化文書作成に活用」といった声が寄せられた。
社内でのAIツール導入・活用推進について、当初は不安や懐疑を抱きつつも最終的に「前向きに捉えられた」とした人は全体の63.5%に上った。一方で、「やや否定的」「非常に否定的」と回答した人は合わせて4.4%にとどまった。
回答者からは「AIというものに対し懐疑的であったが、いざ使うと今までの単純作業がなくなりストレスがかなり緩和された」「同僚のプログラミング時間が減った」などの声が集まった。
調査は4月25〜30日にインターネットで実施。スクリーニング調査では3000人、本調査では300人から回答を得た。
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