及川氏が新たに描いたのは「雑誌を起点に人材を集め、別の事業で収益を生み出す」ビジネスモデルだ。従来の出版事業は、雑誌を商品として販売し、その売り上げや広告収入で稼ぐのが基本だ。一方、復刊したmen’s eggでは、雑誌そのものを収益のゴールとは位置付けていない。
現在、men’s eggの事業収益の柱は複数ある。その一つが、モデルやタレントの育成を目的としたスクール事業だ。有名になることを目指す若者を中心に、約50人が在籍している。スクールでは、ポージングやトーク力、オーディション対策、SNSの使い方などを指導する。運営側は受講費を収益としている仕組みだ。
もう一つの柱が、ライブ配信事業だ。ライブ配信では、所属するモデルやライバー(配信者)が、TikTokなどのアプリを使って配信する。配信者がトークをしたり、視聴者のコメントにリアクションしたりすることでファンが増え、その応援の形として視聴者から「投げ銭」と呼ばれるデジタルギフトが贈られる。そこで得た収益の一部を会社として得る流れだ。
及川氏は「今後モデルや芸能人として活躍していくなら、TikTokなどのSNSは避けては通れない」と話す。ライブ配信を行うことで、トーク力やリアクション力といった実践的なスキルを磨けるだけでなく、将来的に応援してくれるファンを早い段階から獲得できるのだ。
配信に力を入れている所属ライバーの中には、投げ銭によって月に100万円以上の収益を得るケースもあるという。継続して取り組めば、一般的なアルバイト以上の収入を得られる可能性もあり、なおかつ芸能活動との親和性も高い。
芸能活動を支援するスクールや、配信者を育成・管理する事務所は他にも存在するが、men’s eggならではの強みは「雑誌」というリアルな媒体を持っている点にある。
例えば、配信者同士でギフトの数を競い合うといった配信イベントで上位を獲得できれば、men’s eggのソロページを飾れたり、men’s egg専属モデルになれたりするという。配信やスクールで努力を重ねたモデルは、雑誌に掲載されることで知名度を高めるチャンスを得られる。
及川氏は「SNSで誰でも発信できる時代だが、雑誌に載ることには今でも特別感がある」と話す。
雑誌自体が売れるかどうかに関わらず、紙の雑誌を定期的に出版し続けることで「雑誌に出たい」「モデルとして認められたい」という若者を集めやすくなる。つまり、雑誌はモデルや配信者を集めるための“人材獲得のための広告媒体”として機能しているのだ。
その価値を目指して集まった若者が、スクール事業やライブ配信事業に参加し、結果として会社の収益につながる仕組みである。
なお、スクールやライブ配信などの事業運営では、外部会社の協力も得ている。スピード感を重視した事業展開のためだ。
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