ギャル男雑誌『men’s egg』が復刊、なのに「雑誌では稼がない」? 仕掛け人の起業家が明かす新ビジネスモデルとは(4/4 ページ)

» 2026年01月23日 05時00分 公開
[米倉志保ITmedia]
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「ギャル男雑誌」をやめた理由は?

 今回の雑誌復刊にあたっては、出版社の大洋図書が主軸となって協力している。これまでのmen’s eggとの大きな違いは「ギャル男」を前面に押し出さない方針だ。「多くの意見を聞いたが、昔のギャル男になりたい人は今はほとんどいないと感じた」という。

 雑誌として再び成立させるには、今の若者が「なりたい」「憧れる」と思えるモデル像を提示する必要がある。過去のイメージに縛られたままでは、人材が集まりにくく、結果として配信事業やスクール事業、AI事業などのマネタイズも難しくなる。そう考え、あえてギャル男に限定しない形を選んだ。

ギャル男に縛られないモデルが登場する

 加えて、現在の若年層にとっては「men’s egg=ギャル男」という固定観念自体が薄れているという。かつての読者とは異なり、ブランドの歴史を知らない若い世代にとっては、復刊したmen’s eggは“新しい雑誌”として受け取られやすい。

 一方で、かつてのmen’s eggが持っていた独自性を全て捨てたわけではない。体を張った企画や、恋愛をテーマにした特集など「モデルの人となりが伝わる雑誌」というDNAは意図的に残した。ファッション誌として大手雑誌と正面から競うのではなく、企画力やキャラクター性で存在感を出す戦略だ。

かつてのmen’s egg文化も残した

 復刊号では、若者を中心に知名度を持つ音楽グループ「レペゼン地球」(Repezen Foxx)の元メンバー、DJ? Foy氏を表紙に起用した。今後もYouTuberやインフルエンサーなど、SNSを中心に活躍する人物を表紙に起用し、雑誌の認知度を高めていく方針だという。

 特にYouTuberなどのインフルエンサーは、影響力は大きい一方で、大手出版社の雑誌掲載経験は少ないそうだ。及川氏は「今は雑誌が売れにくい時代だが、それでも“出版できる力”を持っていること自体に価値がある」と話す。

 現時点では、雑誌は人材を集めるための広告として資金を投じて発行する側面が強いが、将来的には雑誌自体の売り上げも伸ばしていきたい考えだ。知名度が高まり、広告出稿や販売部数が増えれば、雑誌単体でも収支が合うようになる。その状態になれば、スクール事業や配信事業、AIモデル事業と組み合わせることで、事業全体としてより安定した収益構造になると見ている。

DJ? Foy氏を表紙に起用

 及川氏は「今まで可能性があると思って動いてきたものが、成功する、面白いという確信に変わってきている」と意気込む。

 将来的な目標は、SNSやインフルエンサー領域に強みを持つ、1000人規模の芸能事務所へと成長させることだ。東京以外にも拠点を広げ、場所に縛られず活動できる体制作りも視野に入れている。

 雑誌を復刊したことで、オーディションや新たな企画の相談など、事務所としての問い合わせが増え始めているという。men’s eggを起点にしたスクール事業やライブ配信事業、AIモデルの展開などを通じて、国内にとどまらず海外での活動も目指す考えだ。

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