及川氏は今後の成長領域として、AIを活用したモデル・アーティスト事業にも力を入れる。実在するモデルに加えて「AIモデル」という新たな選択肢を持つことで、ビジネスの幅を広げる狙いだ。
2025年12月には、AIモデルアーティスト「MIRI」(ミリ)をmen’s egg公式専属モデルとして起用したことを発表した。今後、楽曲制作などのアーティスト活動やmen’s eggでのモデル活動、SNSでのコンテンツ展開、イベント出演などを実施していく予定だ。
YouTubeチャンネル「MIRI チャンネル」も開設。歌詞、楽曲、映像の全てをAIで制作したミュージックビデオを公開している。
及川氏がAIモデルに可能性を感じている理由の一つが、活用領域の幅広さだ。実在の芸能人やモデルを広告に起用する場合、出演料や撮影費、スケジュール調整などのコストがかかる。一方、AIモデルであれば半永久的に24時間稼働でき、衣装や髪型の変更、撮影にかかるコストも大幅に抑えられる。
「影響力を持ったAIモデルが育てば、求人広告や商品紹介など、ざまざまな用途に使える」。撮影費用は従来の10分の1以下に抑えられるケースもあるといい、起用する企業側にとっては効率化やコスト削減につながる。
既に市場で成果を上げ始めている事例もある。例えば、バーチャルヒューマン「imma」(イマ)は、2018年から活動を続け、Instagramでは38万人以上のフォロワーを持つAIインフルエンサーだ。
2019年には資生堂のスキンケアブランド「SK-II」のキャンペーン映像に起用され、その後も2020年の「IKEA原宿」オープン広告や、第一興商の通信カラオケシリーズ「LIVEDAM AiR」のイメージキャラクターなどに起用されている。2025年12月には、野村グループの創立100周年を記念した広告に出演した。
men’s eggでも同様に、広告での起用やイベント出演などを通じて、AIモデルの認知を広げていきたい考えだ。活用イメージを市場に浸透させた上で、将来的には中小企業向けに「オリジナルAIモデル」を提供するBtoB事業への展開も検討する。
AIモデル事業を考えるきっかけの一つとなったのが、ライブ配信との相性だ。配信は時間・場所を問わずできるが、実在のモデルの場合は積極的に取り組む人もいれば、そうでない人もいる。「それなら、AIに24時間配信させればいいのではないか」。こうした発想から、2025年8月には24時間ライブ配信が可能なAIに関する特許も取得した。
AIによるライブ配信では、視聴者からのコメントやギフトにも対応できるという。及川氏によると「見た目を加工して配信している人と比べたら、人間かAIかあまり分からない」そうだ。2026年は、このAI配信事業を本格的に進めていく。
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