そういうシビアな現実に直面したら、高市首相もわれわれ国民もいよいよ「本丸」に切り込んでいくしかない。そう、「膨張する社会保障」をどう抑制するかという難題である。もっとも、これまで一生懸命、年金を払い続けてきた人もいるので、年金受給額を削るのはかなり難しい。高齢化社会で働き手も減っている日本で介護を削るのも命取りだ。そうなると、残される選択肢は「医療費」しかない。
命にかかわるような病気やけがではない人たちの医療費や、診療や処方の効率の悪さや「ムダな薬」を見直すことで、医療費を減らしていけるのではないか、という発想に至るのは自然な流れだろう。
今も一部の政党は「ジェネリックにする」「高齢者にもしっかりと負担してもらう」などさまざまなアイデアを出しているが、どうしても誰かの「権益」を奪ってしまう側面がある。
「貧しい者は安い薬しか買えないのか!」とか「高齢者いじめだ! 貧しい高齢者は医療にかからず死ねというのか!」みたいな“弱者”からの怒りは、「平等」に過度にこだわってきた日本の行政や政治が、最も苦手としてきた領域だ。
そのため、こういう議論は自発的に盛り上がらない。減税や積極財政が大スベりした後で、いよいよ他に希望を託せる政策がないというところまで追い詰められて、はじめて政治も重い腰を上げるはずだ。
ただ、それを指をくわえて待っているだけではしょうがない。減税や積極財政を進めながらも、国民全員でできる「医療費圧縮のための国民運動」がある。
それはウォーキングだ。
「は? 頭、大丈夫?」という失笑が聞こえてきそうだが、ウォーキングをしている人は、していない人よりも医療費を削減できることがさまざまな研究で分かっている。
例えば、埼玉県ふじみ野市では、希望者にウォーキングをすると元気・健康ポイントが貯まるアプリを提供しており、そこのデータから面白いことが分かった。
1日2000歩未満しか歩かない人の年間外来医療費は25万1172円であるのに対し、1日6000〜7999歩歩く人では11万3164円にとどまる。歩く習慣がほとんどない人と適度に歩く人を比べると、後者のほうが年間で最大約13万8000円、医療費が低くなる傾向が見られたのだ。
もちろん、この手の研究で必ず議論になるのは「もともと健康だからウォーキングができたのか、それともウォーキングをしたから健康になったのか」というニワトリが先か、卵が先かという話である。ただ、このようなデータは他にも報告されており、何かしらの「医療費削減効果」があると考えるべきではないか。
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