小売大手は食品スーパーをコンビニサイズまで縮小した業態を展開している。
イオンは都市型食品スーパー「まいばすけっと」をここ20年にわたって首都圏を中心に展開してきた。住宅街や商店街の駅から離れた場所など、少し目立たない場所に出店している。現在の店舗数は1000を超え、2030年までに2500店舗を目指すとしている。コンビニの居抜き物件も活用しており、一部では「コンビニキラー」ともいわれている。
コンビニ大手3社との違いは野菜・精肉などの生鮮や「トップバリュ」ブランドの加工食品が充実している点だ。家で料理をする際に必要な食材・調味料を一通りそろえられる。
一方でナショナルブランドの菓子パンやチルド弁当など、コンビニ系の商品も大手3社より安く販売している。イオンの仕入れ力を生かした業態である。一部店舗ではコンビニのようにATMを設置し、たばこも販売する。
競合では九州地盤の小売チェーントライアルホールディングスが「TRIAL GO」を展開している。まいばすけっとのように都市部のやや目立たない場所に出店しており、2025年11月には都内初出店を果たした。現在、都内には5店舗を展開する。
商品は総菜・弁当から加工食品、飲料、生鮮などさまざまだ。近隣の大型店との連携を強みとしており、都内のTRIAL GOでは西友で製造した弁当や総菜も販売する。飲料・弁当の価格は大手3社より安く、まいばすけっとと同じコンビニキラーとなりそうだ。TRIAL GOは今後3年間で100店舗を出店する計画としている。
コンビニの新興勢は柔軟性が強みである。一から作り上げるため、弁当の調理や顔認証システムなど新しい機能を設置できる。大型店のノウハウを活用すれば、まいばすけっと・TRIAL GOのように生鮮も充実させられる。
一方でコンビニ大手3社は1万店以上ある既存店を考慮しなければならない。新技術の導入もフランチャイズのオーナーを納得させる必要がある。全体最適化では大手3社が優位にあるが、一部エリアで新興勢の拡大を許すことになるだろう。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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