このように観客動員数のピークが初週から後ろにずれこみ、その後も粘り強く動員が続く「後伸びヒット」を支えているのが、SNSなどで拡散される口コミだ。
似た傾向は、同じく昨年公開の『爆弾』や『366日』でも見られており、近ごろのトレンドになりつつある。じわじわ人気が高まっていく展開自体は過去にも見られたが、なぜ今そのようなヒット構図が連続し、存在感を増しつつあるのか。
筆者は「SNSのアルゴリズムに基づくレコメンド機能が一般化したこと」が、一部作品の動員につながっているのではないかと推測する。
フォローしていないアカウントの投稿が「おすすめ」として表示されるレコメンド機能は、Xでは2023年1月からタイムラインに導入された。TikTokが動画表示に採用している「完全アルゴリズム制(フォロワー数や知名度に関係なく、投稿された動画の品質やエンゲージメントに応じて動画が表示される仕組み)」は、YouTubeやInstagramなどにも機能として備わっており、現在のSNSでは主流になっている。
SNSのレコメンド機能があることで、日常的に映画館へ行く習慣がなく、能動的に映画の情報をキャッチアップしない層にまで話題作の口コミが届くことになる。するとそうした大衆層の中から新たな動員が生まれ、ヒットのすそ野がさらに広がっていく。ロングランヒットの裏には、そんな背景があるのではないだろうか。
なか卯の「床に置かれた食器」問題 企業の沈黙が呼ぶ“将来の波紋”
倒産寸前なのに年収100万円アップ 売上38億円のV字回復を実現した、山梨のプリント企業の「決断と狙い」
SNSでオモチャ化する「謝罪会見」 プルデンシャルは何を読み違えたのか
「落とし物DX」で売上15億円 競合だったJR東日本も導入した「find」はどんなサービスなのか
ローソンの車中泊は、単なる「場所貸し」ではない 見落とされがちな体験価値とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング