2021年以降の中国外食マーケットが血で血を洗うレッドオーシャンになってしまったのは、コロナ禍の反動だけではなく、日本の外食企業が大挙して押し寄せてきたせいでもあるのだ。
「それは中国の消費者が日本の外食を食べたいと思うからであって、日本の外食企業が悪いみたいに言うなよ」とお叱りが飛んできそうだが、そう思うのはわれわれが日本人だからだ。そこで視点を変え、中国外食チェーンの立場に立って考えてみたい。
ただでさえ、国内の新規参入者が増えて競争が激化しているところに「外国資本」がじゃんじゃん入ってきて、スシローのように行列ができる店もあるのはかなりイラッとするだろう。しかし、冷静に考えてみれば「まだ食べたことのない人がたくさんいる国に出店する」のはグローバル外食チェーンとしては当然の戦略だ。だったら、自分たちも日本企業みたいに海外展開に力を入れるか、という結論になるのは自然の流れではないか。
ここまで言えば、もうお分かりだろう。そのようなフロンティア精神を抱いた中国外食チェーンが世界地図を見たときに「あ、ここはまだあまり進出していないじゃないか」という国が割とすぐ近くにある。そう、われらが日本だ。
2021年から「楊國福」が日本で急に出店攻勢を強めたのは、2021年からスシローが中国で急に出店攻勢を強めたことと基本的には同じことなのだ。細かな事情は違えど、互いにコロナ禍の反動で自国の競争が激化していく中で、新たな成長を求めて「隣国のマーケット」で勝負をかけたのだ。
中国企業が日本に進出してくると、「外国資本による経済的侵略だ」「日本人の財布を狙っている」と不快に思う日本人も多い。ナショナリズム的には自然な反応だが、一方でちょっと視野を広くすれば、われわれも中国のマーケットに進出して、外国資本として中国人の消費でもうけている現実がある。こういう相互依存関係が嫌だというのならば、江戸時代のように「鎖国」をしなくてはいけない。
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