では、なぜ楊國福は2021年から出店攻勢を強めていったのか。個人的には、楊國福が日本で勝負を仕掛けなくてはいけない「中国マーケットの大きな地殻変動」が原因ではないかと思っている。
フロンティア・マネジメント社のプリンシパル・アドバイザー中村達氏の記事によれば、中国の外食の新規登録社数は、2021年に334.1万社(個人営業含む)と爆発的に増えている。これはコロナ禍での外食閉店・廃業ラッシュの反動で、2019年比で41.1%増だったという。
当たり前だが、それだけプレーヤーが急増すれば競争が激化する。中国の外食チェーンも頭を悩ませた。しかも、そこへ「招かれざる客」もやってきた。中国市場への進出を狙う日本の大手外食チェーンである。
例えば、スシローは2021年9月、中国の広州市で1号店をオープンすると行列のできる人気店となり、わずか4年足らずで50店舗にまで拡大した。
そんなスシローをはじめ「日本食」が現地の中国外食企業にとって大きな脅威となっていることが分かるのが、JETRO(日本貿易振興機構)の「JFOODO 海外フィールドマーケターによる中国の今がわかる!現地”食”情報レポート」(2022年11月)である。
「2022年6月現在、中国で営業している日本料理店は6万811店あり、コロナ禍でも2021年1月から2022年5月の間3万5122店が新規オープンし、3万537店が閉店され、4585店の純増となりました」
実際、この時期は国内の経済メディアでも「日本の外食企業が『脱ローカル』で海外展開を加速するワケ」(会社四季報オンライン 2021年9月7日)などで、少子高齢化で先細りする内需に見切りをつけた大手外食チェーンが、成長エンジンを「海外」に求めて日本を飛び出していると報じられていた時期だ。中でも多くの企業がチャレンジしたのが、14億人という超巨大マーケットを持つ中国だ。
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