「どの山に登ればいいか分からない」
「あの山の、どこまでたどり着けばいいのか分からない」
「そもそも、どうやって登ったらいいか分からない」
こんな分からないことだらけの中なのに、それでも
「自分なりに考えて登って」
「失敗してもいいから」
と言われ続けて、山中に放り出されたのが、現在の40〜50代の管理職だ。筆者(56歳)もまさにそうである。「どうすればいいですか?」と上司に質問しようものなら、
「自分で考えろ」
「お前の頭はどこに付いてるんだ」
と叱られた。だから、理不尽な“ダメ出し”をされながら、山中をさまよい、自分なりのルートを見つけてきた。そのような経験しかないから、部下にも
「他人に頼らず、自分の力で登れ」
と言いたくなる。しかし「タイパ」を重視する若者に、そんな言い分は通用しない。それどころか「単に教え方を知らないだけ」「部下指導を放棄している」と見られてしまう。
では具体的にどうしたらいいのか? 正しい目標達成の手順をしっかり教えよう。私が推奨しているのは、以下の7ステップだ。
山登りでいえば、どこが山頂なのか。どこにたどり着けばいいのかをピンポイントで決めることだ。具体的で、達成したかどうかが明確に判断できる目標でなければならない。「コミュニケーション力を高めろ」「論理思考を身に付けろ」では、ゴールイメージがわかない。
どこがゴールなのか? どの地点が山頂なのか? それがハッキリしたら、どこを経由すれば目的に効率よくたどり着くのか。その経由地を一緒に考える。マラソンでもそうだ。ゴールする場所は知っていても、どこを経由すればいいか分からないのなら、どの方向へ走っていったらいいか分からない。
中間目標を決めたら、中間目標と現状の間にある「ギャップ(溝)」を明らかにしよう。そしてそのギャップを埋めるために、何が障害になっているかを特定する。「装備が足りない」「スキルが不足している」このような課題を先に決めておくことで、正しい行動計画を立てることができる。
課題が分かったら、ここからは一気に進むだろう。山登りを始める前に、足腰を鍛えておく、装備を買いそろえておく、入念にルートの確認をする。このような具体的な行動を決めるのだ。
行動目標が決まったら、いつ、何を、どの順番でやるかの計画(アクションプラン)を作る。目標を決めてすぐ計画を作ろうとする人は多い。しかし、それは山頂を見つけてすぐに山へ登ろうとする姿勢だ。(2)〜(4)の手順を飛ばすと”遭難”する可能性が高いので、気をつけよう。
実のところ計画を立ててからが大事だ。計画をスケジュールに落とし込むことで「計画倒れ」の確率が各段に落ちる。「何日の何時から何時までにやるか」を手帳やカレンダーに記入して初めて、行動が動き出す。
スケジュールに落とし込めたとしても、スケジュール通りに動けるとは限らない。目先のやるべき作業(タスク)を効率よく処理できないと、「頑張っているんですが、達成できない」という状態に陥る。タスク処理のやり方まで上司は教えてあげよう。
この7つの手順を、上司と部下と一緒に準備する。そうすることで、「何をすればいいか分からない」という状態は必ず解消されるだろう。ルートが明確になれば、人は自ら動ける。動けば手応え(小さな達成体験)が生まれる。手応えさえあれば、モチベーションは自然と上がっていくものだ。
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