「野菜は0円」アプリはなぜ伸びるのか “ついつい買ってしまう仕組み”の正体インタビュー劇場(不定期公演)(3/5 ページ)

» 2026年04月25日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

ついつい買ってしまう理由

土肥: 1日の平均滞在時間が38分! 野菜を育てるためには、水をやらなければいけないし、肥料も与えなければいけない。そのためには、何度もログインして、水や肥料を手に入れる必要がありますよね。たくさんの水を手にするためには、商品の広告を見なければいけない。そして、商品を購入すると、たくさんの水が手に入るので、野菜が早く育つ。

 ひねくれ者のワタシなんかは、商品を買って水を手に入れると、なんだか敗北感があるので、自力で玉ねぎを育てているんですよ(ただで商品をもらう作戦)。ま、そうした人は少数派として、多くの人は「ゲームを楽しむ→広告を見る→商品を購入する→野菜が早く育って、収穫する」といった流れなのでしょうか?

カウシェファームの作物一覧

門奈: そうですね。アプリで商品を見ていると「この商品はスーパーよりも安い」「ドラッグストアよりお得かも」と感じて、購入するケースが多い。滞在時間と買い物の回数は連動していて、1日に3回は来てもらえるよう工夫しています。例えば、朝・昼・晩で画面の背景が変わる。そして、そのたびにログインボーナスとして、水や肥料を手にできる。

 このほかにも、来てもらうためにさまざまな工夫をしていますが、購入している人の9割は、見ているうちについつい買っているんですよね。逆に言えば、検索して購入する人は1割ほど。

 ECサイトの場合、自分が欲しい商品を検索して、購入するケースが多いかと思いますが、カウシェの場合、画面に商品がなんとなく流れてくる。例えば、ミネラルウオーターが表示されると「そういえば、自宅になかったな」と思って、ついつい購入してしまう。

 ちょっと話が変わりますが、コンビニに行くときは「コーヒーを買うために」「ランチのおにぎりを買うために」といった具合に、目的買いが多いかと思いますが、カウシェは違う。ドン・キホーテのように「お店に行けば、何か面白いモノがあるかもしれない」といった偶然の出会いや発見を楽しむことが大事で、明確な目的がなくても“なんとなく見てしまう”状態をつくることを重視しているんですよね。

土肥: ふむふむ。とはいえ、1日に38分というのは、そろそろ限界ではないでしょうか?

門奈: この数字には、私たちも驚いているんですよね。限界は何分なのか、まだよく分からないので、その答えは1年後に見えてくるかもしれません。そのとき、また取材に来てください(笑)。

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