1万円の“お菓子”が即完売 カンロ「ヒトツブカンロ」がギフト市場を変えた背景(3/5 ページ)

» 2026年04月26日 08時00分 公開

「1万円で売れる」というインパクト

 ギフトブランドとしての手応えをつかむと、来店客の声を受けてグミッツェルをバラ売りから6個セット、12個セット、30個セットへと段階的に拡大。5000円のボックスセットも投入し、どこまでの価格なら許容されるかを顧客の反応を確かめながらテストした。

 その延長線上に生まれたのが、2023年に発売した1万円のギフトボックス(100個限定)だ。中身はグミッツェルと、"もふふわ"食感マシュマロ「mofuwa」の詰め合わせで、金澤氏もチャレンジングな価格だったと認めつつ、「1万円でも売れるという世の中へのインパクトを出したかった。ギフトとしてきちんと認知してもらいたかった」と語る。

photo 1万円のギフトボックスも9時間で完売した

 このギフトセットは約9時間で完売するなど、社内でも想定外の反響だった。「1万円のお菓子を贈るのは、会話のきっかけになる。コミュニケーションの一部として評価いただいた」と金澤氏は分析する。

 グミッツェルのパリパリとした咀嚼(そしゃく)音がASMR(聴覚を刺激して心地よさを感じさせる動画)としてSNSで広がり、ユーザーが急増したことも要因だ。

 2025年には、飴とグミの両方を詰め合わせた8000円のギフトボックスも発売し、中元や歳暮などフォーマルなギフト需要を捉えて好調だった。今後、再び1万円前後のギフトボックスを展開する構想もあるという。

photo サブスクの会員数も堅調に推移している

 また、グミッツェルの認知度の向上は、販路の拡大にもつながった。コロナ禍で実店舗がクローズした際、全国から「買いたい」という声が寄せられたことをきっかけに、ECを緊急で立ち上げたほか、2024年6月にはサブスクの「グミッツェル for me」を開始。

 毎月届く商品に開発者のこだわりを記したメッセージカードを同封するなど、ブランドの世界観を伝える場としても機能させ、会員数は右肩上がりで増加している。

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