国交省は今月24日から、旅客機内での発火や発煙を防ぐため、モバイルバッテリーの機内への持ち込みを最大2個までとし、機内電源からのバッテリー本体への充電や、バッテリーから他の電子機器への充電を禁止するなどの安全基準を適用した。
なぜモバイルバッテリーは燃えるのか。電池材料の研究開発を受託する大阪ガス子会社・KRIの木下肇常務執行役員は、モバイルバッテリーに内蔵されるリチウムイオン電池が要因だとし、「電池の中は燃えやすい液体の『電解液』で満たされているので、本体に問題が起きれば発火してしまう」と説明する。
落下や圧迫で内部が傷んだり、過充電や高温の環境で使い続けたりすると、電池内で急激に熱が発生し、液体が分解してガスが発生。さらに温度が上がれば熱暴走(熱による異常反応)に至り、発火や発煙につながる。
木下氏は「各メーカーが性能を競う中で、安全性よりもエネルギー密度を上げて製品を売るという方向に傾き、事故が増えたのではないか」と指摘する。エネルギー密度を上げれば充電容量は大きくなり、モバイルバッテリーは小型化できる。
事故多発の背景には、スマホなどの電子機器の高性能化が進んでいることもある。動画や音楽の視聴、ゲームで休みなく使い続ける状況が増えるに伴い電子機器の電池消費が早まるため、頻繁に充電する必要性が増す。
損害保険ジャパン子会社のMysurance(マイシュアランス、東京)のモバイルバッテリーに関する調査では、熱さや膨張など異常を感じても使用を続けるとの回答が39.3%もあった。
便利で手軽であるため漫然と使われている実態もあるが、発火などのリスクを再認識し、適切な使用が求められる。(桑島浩任、井上浩平)
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