「サムスンG」を辞めて福岡へ移住 韓国人エンジニアが日本で「衝撃を受けた」こととは?【連載】ニッポンを「職場」に選んだら(2/4 ページ)

» 2026年05月15日 06時00分 公開
[濱川太一ITmedia]

「スペック重視」の韓国 履歴書には資格がびっしり

 韓国社会は、日本でも知られるように「スペック重視」の傾向がとても強い。リュさんがサムスンSDSに在籍していた当時も、過熱するスペック競争を実感していたという。

 「サムスンSDS時代に新卒研修の指導を担当した際、新入社員の履歴書を見ることがありました。英語、中国語、日本語などマルチリンガルは当たり前。中にはスキューバダイビングなど、一見仕事と関係なさそうな資格まで書かれていました。履歴書に書くスペックが、個人の能力を示す唯一の基準のようになっているのです

 リュさん自身も、大学の成績や語学スコアに加え「誰かに教えるスキルがあること」を示すため、自動車の運転教習の指導員経験なども履歴書に記載して、入社試験や面接を突破したという。

 厳しい競争環境を経てきたリュさんにとって、転職した日本の企業文化には驚くことが多かった。特に衝撃を受けたのは、社長との距離感だ。

 「もともと日本の企業や社会には『堅い』という印象を漠然と持っていましたが、実際に来てみると非常に自由な文化に驚きました」

 「一番驚いたのは社内イベントで、社長が自らサンタクロースの服を着てプレゼントを配っていたことです。前の会社では、社長は社内で会ったとしてもあいさつもできないほど遠く、堅い存在でした。でもここでは、隣で働くパートナー(同僚)のような感覚で自由に会話していたので、本当にカルチャーショックでした」

就職 社内イベントでサンタクロースの姿に扮装(ふんそう)するGMOペパボの佐藤健太郎・代表取締役社長(左)。写真は2025年のもの(同社提供)

 日々の働き方を支える制度面でも、前職との違いを実感したという。

 「勤怠についても、今の職場はフレックスタイム制が導入されており、非常に柔軟です。有給休暇の申請も、理由を細かく問われることなくスムーズに承認されます。こうした個人の裁量を尊重する文化は、すごくいいなと感じました」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR