なぜ、ノジマは“斜陽ビジネス”の買収を続けるのか 「日立家電」買収に潜む狙いと懸念(2/3 ページ)

» 2026年05月25日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

「斜陽ビジネス」を買収し続ける狙いはどこに?

 対するノジマは日立の家電事業取得について、自社の「顧客接点や市場ニーズの抽出・還元力」と「日立のモノづくり技術」を融合し、製品開発からアフターサービスまでを一貫して強化するとしている。

 ノジマは首都圏を中心に国内で家電専門店を約240店舗、海外では子会社化した現地ブランドを中心に約110店舗を展開する(2025年度末時点)。メーカーの派遣販売員を受け入れないため、顧客目線の提案が強みであり、今回の家電事業取得に際しても顧客接点との相乗効果をアピールした。

メーカー販売員がいない点が強みのノジマ(同前)

 ノジマは2024年度にPCメーカー・VAIO事業を112億円で買収したことが記憶に新しい。VAIOの国内シェアは5%を下回るとされ、海外向けも規模は小さい。当時は「なぜ今さら?」と、メリットを疑問視する意見も聞かれた。今回買収した日立の家電事業も洗濯機では国内シェアの2割超を占めるが、世界シェアは1%に満たないというデータも出ている。

 ノジマの家電事業参入には、一部の「国産信仰」を取り込む狙いがあると筆者は考えている。

 ノートPCはASUSなど台湾勢が台頭しているが「どうしても日本製が良い」とする消費者も多い。法人もアフターサービスを求めて国内製を選ぶ業者は存在する。同様に日立が手がける白物家電も消費者の国産信仰が根強い分野だ。

 後述の通り国内電機メーカー各社が家電事業から撤退する中、国産ブランドを保持して「残存者利益」を獲得する狙いがあるのだろう。日立の家電をノジマ店舗でさばききることはできないため、家電量販店事業との相乗効果よりも単独での収益拡大を狙っているというのが筆者の考えだ。

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