こうした一連の調査結果を専門家はどうみるか。SNSと情報リテラシーに詳しい成蹊大学の高橋暁子特別客員教授に聞いた。
SNSと一言にいっても、内容は多様だ。前述の日テレの事案ではInstagramが使われ、西日本シティ銀行のケースではBeReal(ビーリアル)が使用されていた。不特定多数の人に投稿が公開されるわけではなく、多くが友達に限られる。また、わずか1日程度で投稿が消えるといった特徴もある。
こうしたSNSでの発信者のほとんどは20代の若年層だ。高橋教授は「たしかに、高校生や大学生向けにSNSの利用方法に関する授業が多くの学校や大学で実施され、『情報リテラシー』を高める機会となっている」と語り、続けた。
「そうした場で生徒や学生が学んできているからこそ、不特定多数に情報を公開するのではなく、仲間内だけで公開しあっている。ただ、いくら仲間内だからと言って絶対に情報が漏洩しないわけではないということを認識していない。油断もあるようだ」
ではこの先、どう対応すべきなのか。
高橋教授は、企業のSNSにおける社内ルールについて「あいまいには定義せず、情報漏洩をしたらどんな目に合うのかを実例とともに紹介すべきだ」と強調する。ひとたび情報を流出させてしまえば、企業の社会的信用が失われるためだ。顧客の信頼が失われ、業績悪化や発信者の個人情報が特定され、拡散される懸念もある。
前出の西日本シティ銀行は漏洩問題の発覚後、営業店への私用のスマートフォンの持ち込みを「完全に禁止」。企業全体のルール変更を余儀なくされた。
高橋教授は「企業の規模にかかわらず、SNSの利用についての感覚は世代間で大きく異なる。一度、問題が起きてしまう前に適切な指導を企業全体、社会全体で心がけてほしい」と警鐘を鳴らした。
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