「餃子の王将」が直面する“客単価1200円の壁” なぜ、売上好調なのに株価が下落しているのか(3/5 ページ)

» 2026年06月15日 05時30分 公開
[山口伸ITmedia]

店内飲食やデリバリーが好調に推移

 餃子の王将の店舗数は2017年以降、730店前後で停滞しており、1店舗当たりの収益が同社の業績を左右している。そして、近年は好調続きだった。

 2021年3月期はコロナ禍の影響で、直営店における店内飲食の売上高は前年度の636億円から490億円に減少。しかし、テークアウト・デリバリーの売上高が150億円から246億円に増え、全社売上高の減収幅を約50億円に抑えた。

2019年3月期〜2026年3月期の業績(筆者作成)

 2023年3月期以降、テークアウト・デリバリーの売上高は260億円前後を推移し、主要な収入源の一つとなった。餃子の王将は新規顧客の開拓を目的として、2017年から「出前館」によるデリバリーを試験導入していたこともあり、弁当や総菜などを購入して家庭や職場などで食べる「中食需要」の拡大にいち早く対応できた。2020年には持ち帰り商品として、レンジで簡単に調理できる「餃子の王将 レンチンシリーズ」も投入した。

 店内飲食の売上高は、2024年3月期に以前の水準を上回り、その後も増加が続いている。餃子の王将は段階的に値上げを実施してきたが、客離れは起きず、客単価の増加がそのまま増収に貢献した。個人店のラーメンが「1000円の壁」を超えるなか、餃子の王将は1000円未満の料理も多く、相対的に安い点が評価されたのではないだろうか。

 加えて、過去記事(「7%割引カード」でコア層維持 「餃子の王将」が過去最高売上を達成しているワケ)で解説した通り、近年は「ぎょうざ倶楽部会員カード」を通じてランクごとに5〜10%の割引を実施する施策を強化してきた。これにより、根強いリピーターを獲得しているとみられる。

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