新たな「快適」や「便利」を届けたい、消費者と直接つながりたい…。私たちが何げなく手にする製品には、作り手のさまざまな思いと、それを形に変えた確かな技術が込められている。大阪府が中小企業の創造力にあふれた自社製品を認定する「大阪製ブランド」を通じ、ものづくりへの思いと技術、そして情熱を紹介するこのシリーズ。第1回は「見せる延長コード」を取り上げる。
(堀川晶伸)
丸みを帯びた十字形に艶消しの黒。工業製品独特の存在感と同時に、柔らかさも感じさせるデザインは眺めてあきることがない。
スタイリッシュな延長コードを手掛けるのは、大阪府東大阪市の電線メーカー「大原電線」。50年以上にわたり「ビニルコード」と呼ばれる業務用電線を、主にOEM(相手先ブランドによる生産)で製造してきた。そんなメーカーが家庭でも使える独自のブランド製品を作りたい―と挑戦をスタートしたのは、令和元年のことだった。
「『下請け』ならではの苦労もあるし、商社と新しい電線を一緒に開発したけれど知的財産権が向こうに渡ってしまったことも。何か自分たちで(製品が)できればという気持ちがあった」と社長の大原豊一さん(75)は説明する。
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