セブンでは2022年にセブン-イレブンアプリで、2023年にレジで広告配信を開始した。店舗へのデジタルサイネージの設置は2024年から進めており、現在は首都圏を中心に約3700店舗へ導入している。2026年度中に東海・関西エリアで新たに5000店舗へ設置する予定だ。
他のコンビニチェーンではレジ上にデジタルサイネージを設置するケースが多いが、セブンは利用客が入店時に目にする場所への設置をコンセプトとしている。多くの店舗では弁当コーナーの上に設置しているといい、レジに向かうタイミングではなく、入店直後から広告を届ける狙いだ。
店内には4つのスピーカーを設置し、利用客がどこにいても音声が届くようにした。さらに、来店客の平均滞在時間が約5分であることを踏まえ、広告も約5分ごとに配信している。
実際、デジタルサイネージを設置した店舗では、広告を配信した40商品について、設置していない店舗と比べて1日当たりの売り上げが平均1343円高かった。
具体的な商品における広告効果も検証した。2026年に発売したアルコール飲料では、テレビCMと店内サイネージの両方に接触した人の購入率が最も高く、どちらにも接触していない人を100とすると131となった。サイネージだけでも123となり、テレビCMのみ(115)を上回る結果だった。
別の炭酸飲料を対象にした検証では、アプリのクーポンと店内サイネージを組み合わせた施策を実施した。広告施策期間中と終了後2週間以内に2回以上商品を購入した人の割合(リピート率)は9.7%となり、クーポンのみの場合(3.8%)を5.9ポイント上回った。
顧客データ基盤の拡大も進める。セブン&アイ・ホールディングスとセブン-イレブン・ジャパンは7月31日、ソフトバンク、PayPay、LINEヤフー、三井住友カードと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。セブン‐イレブンアプリの会員数は現在約2900万人だが、PayPayとの顧客IDの統合により、活用できる顧客基盤は約1億人規模へ広がる。
セブンの取締役常務執行役員 榑谷光生氏は「われわれはコンビニエンスストア事業を専業で行ってきた。これからは、本業で作り上げたアセットを活用して新たな価値を提供していきたい。企業の成長を支援するようなBtoBビジネスにチャレンジしていきたい」と話した。
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