山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
「ホッピング」が携帯キャリアを悩ませている。ホッピングとは、MNP(同じ電話番号のままキャリアを乗り換えること)で得られる特典を目当てに、利用者が短期間でキャリアを乗り換え続ける行為だ。各社は違約金の請求などで防ぎたいところだが、制度上高い違約金を設けることはできず、手を打てずにいる。
キャリア各社は総務省に対し、足かせとなっている制度の改正を求めている。ホッピングの実態と横行する背景を解説する。
携帯キャリアを乗り換える際、かつては電話番号を引き継ぐことができなかった。だが2006年に総務省が価格競争を促す目的でMNPを導入し、移転先でも同じ番号を使えるようになった。
現在、携帯キャリア各社は利用者を取り込むべく、MNPで乗り換えたユーザーを対象にさまざまな還元キャンペーンを実施している。
NTTドコモは「ドコモ mini」に乗り換えた利用者を対象にdポイントを最大2万ポイント還元するほか、機種変更では4万4000円の割引を実施している。dポイントは「1ポイント=1円」相当としてコンビニやドラッグストアなどでの支払いに使える。他社も同様に、乗り換えで2万円相当のポイントを提供する事例が多い。
端末をセットで購入した場合の割引キャンペーンも実施されており、楽天モバイルではMNP契約者に対してiPhone 16を4万円引きで販売している。
2万円相当のポイント特典が目立つのは、電気通信事業法のガイドラインで還元額が最大2万円(税別)に制限されているためだ。同様に、端末を購入した場合の値引き額も最大4万円(同)と定められている。
値下げ制限は総務省が自由競争を促すために定めたルールだ。こうした制度により、かつてキャリアの乗り換えや新規申し込みなどを条件に、端末を極端に安い価格で販売していた「1円スマホ」のようなキャンペーンは行いにくくなった。
「空港ラウンジ混みすぎ問題」も影響か ANA「ステータス制度改悪」に“マイル修行僧”の批判が殺到した背景
嫌がる飲食店に、AIが何度も予約の電話を…… 「オートリザーブ問題」はなぜ起きてしまったのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング