キャリア各社は総務省にルール変更を求めており、6月24日の有識者会議では主に3つの案が示された。1つ目は、一定期間の継続利用後や通信サービスの利用状況に応じて特典を提供できるようにする案だ。現行ルールでは継続利用を条件とした特典の提供が禁止されているため、その規制を見直す内容となっている。
2つ目は違約金の上限を1000円から1カ月分の利用料金まで引き上げる案だ。ただし、MNP特典が最大2万円なのに対して金額が小さいため、他の案と組み合わせなければ効果は薄い。
3つ目は、SIMのみの新規契約を対象とした特典の上限を2万円から引き下げる案だ。「他社が2万円の特典をやめない限り、自社もやめられない」というのが各社の本音だろう。
総務省は競争を促し、通信費を下げる目的でさまざまな規制を設けてきた。携帯キャリアは1円スマホなどの手法が使えなくなったため、現在はMNPの特典で集客を図っている。だが、制度の穴を突いて「ホッピング」する人が増え、キャリアが総務省に助けを求めた構図だ。
もっとも、ホッピングを防止するには特典をやめればよいが、貴重な集客手段であるためキャリアはやめられない。総務省がルールを変更しない限り、ホッピングの現状が変わることはないだろう。
自由化のために現状ルールを継続するのか、キャリアの要請に応えるのか、総務省の方針に注目だ。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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