私は講演の場で、参加者の方によく投げかける質問があります。
「昨日は何時に仕事を終えましたか?」
「その時刻は自分自身で決めたものでしたか?」
「あるいは仕事が片付いた結果として、その時刻になっただけですか?」
質問をすると、会場内には決まって苦笑が広がります。具体的な退社時刻は19時前後や20時過ぎという回答が多く、中には仕事の終わりの時間をこれまで意識したことがないという答えも返ってきます。
参加者の反応からは、本当はもっと早く帰りたいと願いながらも、それが実現できていないという苦い思いが伝わってきます。現在の日本のオフィスでは、仕事が終わるタイミングを「その日の業務がすべて片付いたとき」と捉える考え方が一般的です。
退社時刻が個人の計画ではなく、その日の仕事の都合によって決まってしまうため、退社する時間が日によって違うという実情が多くの職場で見受けられます。
一方で、世界の一流の時間管理は、これとは大きく異なります。弊社が世界のエグゼクティブ層を対象に実施した調査では、平均の退社時刻は「17 時11分」という結果が出ました。日本の平均的なオフィスワーカーが19時台に退社していると仮定すると、両者の間には約2時間の差が生じています。
この17時11分という数字を見て、非常に早い時間に退社していると感じる方も多いのではないでしょうか。しかも、早く帰っている人たちは、決して業務に余裕がある「暇な人」ではありません。むしろデータでは、社内評価が高い上位層ほど、退社時刻が早い傾向にありました。
世界のエグゼクティブ層は、業務の質や量はもとより、処理するタスクの数や意思決定の密度においても、極めて負荷の高い状況に置かれています。それにもかかわらず、彼らは17時過ぎには仕事を切り上げているのです。
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