従業員の転職や独立をきっかけとした「社内情報の持ち出し」が問題となっている。3月にはユナイテッドアローズが、元従業員による情報の不正持ち出しにより、取引先の個人情報が漏えいしたと発表し、話題になった(関連記事:退職前に「自分のメールに社内情報を送信」 ユナイテッドアローズの事例に学ぶ、内部不正リスクと対応)。
サイバーセキュリティ事業を展開するデジタルデータソリューション(東京都港区)の調査によると、2025年度に発生した社内不正事案の約4割を「情報持ち出し」が占めた。では、情報持ち出しはいつ、どのように発覚し、どんな情報が持ち出されているのか。
2025年度の社内不正に関する相談件数は、前年度比20%増加した。実際に発生した社内不正事案の内訳では、「情報持ち出し」が最も多く、41%を占めた。
社内不正事案の数を業界別に見ると「製造業」「情報通信業」「建設業」が上位となった。「製造業」が最多となるのは3年連続だ。上位3業界の不正事案の内訳では、いずれも「情報持ち出し」や「労働問題に起因する不正」が上位を占めた。
情報持ち出しが発覚したきっかけとして最も多かったのは「社内データ削除の発覚」で、39%を占めた。次いで「他の社員からの報告」(15%)、「機器を外部に持ち出し」(9%)による発覚が多かった。
また、人材の入れ替わりが活発な4月と10月に、情報持ち出しが発覚する事例が多かった。
情報持ち出し被害に遭った企業のうち、外部媒体の接続を制限している企業は6%にとどまった。残る94%の企業では、利用制限を設けていなかった。多くの企業で、外部媒体を介した情報持ち出しを防ぐ仕組みが整っていない実態が浮かぶ。
持ち出された情報には、顧客情報や技術に関する機密情報、業務データなど、他社にとっても価値を持ち得る情報が含まれる傾向が見られた。
調査は2025年4月〜2026年3月に260社を対象に実施した。
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