自動車販売で一般的な「残価設定ローン」(残クレ)プランも登場した。残クレとは、将来の下取り額(残価)を設定した上で、その他の部分の購入費を借り入れるローン契約のことだ。
NTTドコモは「いつでもカエドキプログラム」という名称で展開している。23カ月目に端末を返却することを想定したプランで、例えば端末価格10万円、残価5万円のスマホを購入する場合、23カ月間で支払う端末代は5万円で済む。1カ月当たりの支払額は2200円弱だ。24カ月目以降も使い続ける場合は、残価分を再分割して支払うことができる。
ドコモの公式Webサイトによると、iPhone 17(256GB)を同プランで入手する場合、23カ月間の支払総額は11万2640円で、月額3940円だ。消費者にとっては購入費用を抑えられ、ドコモにとってはスマホの所有権を維持できるメリットがある。
残価設定型のプランは他社も提供しており、ソフトバンクは「新トクするサポート+」、auは「スマホトクするプログラム+」として展開している。各社が明言しているわけではないが、一般的に通信キャリアは返却された中古スマホを自社認定の中古品として展開するか、卸売業者に販売していることが多い。
現在でもiPhoneの国内シェアはおよそ半数を維持している。シェアの低下は緩やかだ。スマホの使用年数が伸びていることに加え、中古スマホや残価設定型プランなど、消費者の選択肢が広がっていることが背景にある。
だが今後もAIの高機能化などによりiPhoneの価格上昇は続くと見込まれている。新品価格のさらなる上昇は、中古価格や残クレにおける月額使用料にも影響を与えるはずだ。一方、日本人の実質賃金は低下している。iPhoneの中古品や残クレにさえ手が届かない事態になれば、途上国と同様にAndroidが主流になるかもしれない。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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