システムを導入すれば、業務は自動的に効率化する――。そう考えて導入を進めても、思ったような成果が出るとは限らない。むしろ、導入の過程で思わぬトラブルに直面する企業も少なくない。
補助金申請サポート事業などを展開するbtobee(東京都調布市)の調査によると、中小企業の53.2%が、システム導入や開発プロジェクトで失敗やトラブルを経験していることが分かった。では、何がトラブルを招いているのか。
中小企業のDX推進に伴うシステム導入の状況は「一部の業務においてSaaSシステムを導入している」が24.3%、「ほぼ社内業務の全てをSaaSシステムによって管理・効率化している」が9.0%、「SaaSだけでなく自社独自のシステムを構築済・オンプレミス型のパッケージシステムを導入済」が8.0%、「SaaSの導入効果を高めるべく、データ連携や自社運用に合わせたカスタマイズ開発を施している」が5.7%だった。これらを合わせると、SaaSや独自システムなど、何らかのITシステムを導入している企業は47.0%だった。
直近1年間のSaaS製品の利用コストについては「50万円未満」が51.0%で過半数を占めた。
一方、独自のシステム構築やカスタマイズ開発にかかったコストは「300万〜1000万円」が36.6%で最多となった。「1000万円以上」の12.2%と合わせると、48.8%が独自システムの構築やカスタマイズ開発に「300万円以上」かかったと回答した。
システム導入や開発プロジェクトにおいて、失敗やトラブルを「経験したことがある」と回答した人は53.2%と、過半数に上った。
具体的なトラブル内容については「開発・導入を進めるなかで後出しのコストを提示され、当初予算を超過してしまった」(40.0%)が最も多く「事前の要件や想定に対して、品質や機能面で不足が生じた」(34.7%)、「システムの開発・導入を進めるなかで、スケジュールが大幅に遅延した」(33.3%)と続いた。
同社は「想定外の予算超過や要件のミスマッチといった、事前の計画と実態の乖離(かいり)が目立っており『とりあえずシステムを導入すれば解決する』という安易な進め方には大きなリスクが伴うといえる」とコメントしている。
トラブルの原因として最も多かったのは「自社にITの専門知識を持つ人材が不足していた」(33.3%)だった。その他に「経営陣と現場との間で、システム導入の目的が共有されていなかった」(29.3%)、「プロジェクトを統括・進行管理する人材が不在だった」(24.0%)といった回答が上位となった。
DX推進における外部パートナー選びで重視するポイントは、「予算内に収まる適正なコスト」が33.0%で最多だった。以降は「自社の業務内容や課題に対する深い理解」「導入後の手厚いアフターフォロー・定着支援」がそれぞれ20.3%、「自社に最適なシステムの客観的な選定・提案」が18.3%となった。
調査は7月4日にインターネットで実施。中小企業の経営者・役員のうち、ITシステムの導入などに関与する300人を対象とした。
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