日高屋と幸楽苑、なぜ好調? 「ちょい飲み」と「ロードサイド」、似た者同士でも道は別:数字で見る「企業の現在地」(4/5 ページ)

» 2026年09月25日 07時00分 公開
[濱川太一,ITmedia]

似ているようで違う側面も

 日高屋と幸楽苑、両社は似ているようでいて異なる側面もある。

(1)ちょい飲みVS. ロードサイド

 1つめは業態の中身だ。2002年の開業以来「駅前の屋台」をコンセプトとしてきた日高屋は、首都圏の駅前を中心に出店し、仕事帰りの「ちょい飲み」需要を取り込んできた。そのため、アルコール飲料やおつまみなどの販売に強みを持つ。

 幸楽苑は、ロードサイドに積極的に出店し、店舗を「社会インフラ」と位置付けて、ファミリー層などを中心とした地域密着型の店舗運営を進めてきた。

幸楽苑の中華そばとチャーハン(790円)。当初単品で注文すると「セットの方が安い」と変更してくれるスタッフのホスピタリティの高さに感動。郊外店舗ゆえ店内は広く、会社員らが車で立ち寄る姿が多く見られた

(2)価格変更にも戦略の違い

 価格変更の戦略にも、両社の違いが表れている。日高屋は2024年12月、原材料価格やエネルギー価格の高騰を受けて、全体の7割に当たるメニューを10〜50円値上げした。看板商品「中華そば」は2002年の開業以来初めてとなる価格変更で、30円アップの420円となった。

 一方の幸楽苑は2023年10月、各社が値上げに踏み切る中、一部ラーメン商品を70円値下げしたほか、従来より80〜150円安くなる新たなセットメニューなどを出した。こうした“逆張り”戦略が奏功してか、2024年4月〜25年3月の既存店の客数は、年間累計で前期比11%増と大幅に伸びた。

 同社はその後、ラーメンなどの食事メニューは価格を据え置きしつつ、ソフトドリンクやアルコール飲料価格を段階的に上げるなど、メリハリを効かせた値上げ戦略を進めている。

(3)成長ステージの違い

 両社は成長ステージも異なる。日高屋は長期ビジョンで8年後に「売上高1000億円、営業利益率10%以上、店舗数は700店以上」を掲げている。

 対する幸楽苑は「2033年に500店舗」という中長期の目標を置いている。今年の事業テーマを「再生から進化へ」と掲げ、赤字からの脱却・再建を経て、回復・成長の安定軌道に乗せることを目指す。

 両社には、いわば「持続成長企業」と「V字回復企業」という違いが見て取れる。

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