技術流出事件で難しいのは、会社が2つの顔を持つことです。一つは、秘密を持ち出された被害企業の顔。もう一つは、その秘密を預かり管理していた管理者の顔です。
そのため、事実が固まる前に「当社の管理が甘かった」、あるいは逆に「当社の管理に問題はなかった」と明言してしまうことは避けたほうが良いでしょう。
不正競争防止法上の営業秘密に当たるかどうかには、秘密管理性を含む3要件があります。後の民事・刑事手続では、実際にその情報がどう管理されていたかが重要になります。
初動では、自社の管理状態について法的評価を先回りするより「何が確認できたか」「何をまだ調べているか」「すでに何をしたか」の3つを分けて話す方がいいのです。
社員が辞める日は、人事上の区切りです。でも、情報管理の区切りとは限りません。退職日にPCが戻ってきた。社員証も戻ってきた。アカウントも止めた。そこで「退職処理完了」と安心していいのかーー。
今回の事件は、経営者にその問いを突き付けているように思います。
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