「稼ぐやつが偉い」 プルデンシャル61億円超の不正の根底にある、“制度に書かれていない”空気の支配:「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)

» 2026年10月14日 07時00分 公開
[横山信弘,ITmedia]
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2027年までのカウントダウン 「なぜやるのか」を伝え続ける上司の覚悟

 改革すべきことはたくさんあるが、まず私が最も大事だと考えるのは、マネジャーの意識を変えることだ。

 マネジメントとは、目標を達成させるためにリソースを効果的かつ効率的に配分することである。ところが、稼ぐ社員に上司が指導できない状態では、配分どころではない。報告書が指摘した「関係の逆転」とは、マネジメント機能が止まっていたということだ。

 これまで同社の営業は、個々のライフプランナー(営業社員)に任されてきた。自分の人脈で顧客を見つけ、自分で売り、自分で守る。個人の力に頼る分、営業活動は密室化しやすい。会社がサポートする体制に変える、という方針は正しい。本社スタッフによる顧客対応も、AIによる面談記録も、密室をなくす一歩になるだろう。

 ただし、道具を入れただけでは空気は変わらない。「なぜ録音するのか」を現場が納得していなければ、監視されていると受け取られるだけだ。そこを語り続けられるかどうかは、支社長をはじめとするマネジャーにかかっている。

 空気をつくるのは、いつも身近な上司である。社長がどれだけ立派な方針を掲げても、支社長が稼ぐ社員に遠慮していれば、現場の空気は変わらない。逆に、マネジャーが毅然と振る舞えば、たとえ制度が完璧でなくとも、少しずつ空気は入れ替わっていくものだ。

photo02 管理職の意識改革が変革の鍵を握る(提供:ゲッティイメージズ)

 業務停止は、2027年1月末までである。最低保証給の導入も2027年からだ。時間は、あまり残されていない。

 しかし、制度は設計すれば動くが、空気は違う。何度も語り、繰り返し伝えるしかない。得丸社長は会見でこう述べている。「なぜ、今回の再発防止策を取るのか」「何を解決するために実施するのか」を社員一人一人が理解しなければ、改革にはつながらない、と。

 答えは、すでにトップの口から出ている。あとは、その言葉を何度現場に届け続けられるかだ。組織の空気は、制度ではなく、人がつくる。遠回りに見えても、それ以外に道はないのである。

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